マット安川 このほど『JAPANISM』というオピニオン誌を新創刊された西村さん。

 取材で見聞した被災地の自衛隊員の生の声や、戦後の占領政策を引きずっている教科書の問題、そして延命第一の菅内閣など政治の不毛への憂いをお聞きしました。

震災を食いものにして延命を図る菅政権

西村 幸祐(にしむら・こうゆう)氏
ジャーナリスト、作家。音楽雑誌編集などを経て、主にスポーツをテーマに作家、ジャーナリストとしての活動を開始。2002年の日韓ワールドカップ取材以降は拉致問題や歴史問題などにも分野を広げ、執筆活動を行っている。2011年4月『JAPANISM』を創刊、編集長を務める。(撮影:前田せいめい、以下同)

西村 日本の政治はもはや異常な事態です。詐欺師とペテン師が国会で言い争っているような感じで、日本の国力はどんどん失われていっています。

 結局、菅政権は自分の命を延ばすために震災の被災者、被害者を食いものにしている、大震災を食いものにしているとしか思えません。

 そもそも震災があった3月11日の午前中、国会で外国人の献金問題で追及されていた。本来なら3月20日くらいにはあの内閣はなくなっていたはずです。

 それが震災を利用して延命している。そして辞めるとか辞めないとか茶番劇をやっている。マスコミは政局が好きだから煽っていますが、被災地の方はもちろん、国民も「ふざけるな」と言いたいですよ。

 震災発生から間もなく4カ月が経ちます。仮設住宅をお盆までに全部つくるという話でしたがウソでした。すべてがそういう状況です。

 その仮設住宅についても、日本のメーカーではなく海外のメーカーに発注したという疑惑が出ている。韓国のメディアが盛んに宣伝しています。韓国のメーカーが受注したと。

 ところが、国交省はそれを否定している。事実関係は不明なので精査が必要ですが、問題はそういうことの情報開示がクリアではないということです。

天皇陛下のお言葉が象徴する戦後体制の崩壊

 今回の震災で、多くの日本人が何となく気がついたのではないかと思います。それが具体的に何なのかまだはっきりとはしませんが、戦後体制というか、戦後の空間が壊れたのではないかということです。

 それを象徴するのが天皇陛下のビデオメッセージでした。震災5日後の3月16日に天皇陛下がテレビでメッセージを流しましたが、あれは非常に大きな意味を持っていると思います。