イノベーションを斬る

現場の「組織コミットメント」を高めるために
リーダーは何をすべきか

2011.07.05(火)  軽部 大

皆が前向きで精力を傾注する活気のある職場。後ろ向きな人が多く、一部の人しか精力を傾注しない沈滞した職場。多くの人は、前者のような職場で働きたいに違いない。

 今回のコラムでは、組織成員のコミットメントを引き出すべくリーダーは何に注意をすべきか、コミットメントの低い組織をコミットメントの高い組織に変革するためには何をすべきかについて考えてみたい。

「情緒的」かつ「功利的」な働きかけでコミットメントを高める

 コミットメントとは、「目標実現のために精力を傾注し、責任をかけて事に当たる」個人の態度であり志向性である。

 組織コミットメントとは、個人と所属する組織(あるいは従事する仕事や職業)との関係性(心理的距離)を表す概念だと言ってもいい。個人と組織(あるいは仕事や職業)との心理的距離が近く、組織あるいは従事する仕事や職業の価値と自分の個人的価値とが不可分だと考える人ほど、組織(あるいは仕事や職業)へのコミットメントは高い、と言える。

 人間には誰しも情緒的側面と功利的側面があるので、コミットメントもまた情緒的側面(情緒的コミットメント)と功利的側面(功利的コミットメント)があると言える。

 「情緒的コミットメント」とは、人間の精神的・感情的な側面に注目したコミットメント概念である。それは、組織成員が自分の個人的価値を組織の価値と同一視し、両者が一体不可分であると感じる程度に注目した概念である。

 これに対して、「功利的コミットメント」とは、個人と組織の経済的な交換関係に注目したコミットメント概念である。経済的な利得計算をもって高まるコミットメントがそれに当たる。

 「○○が好きなので一生懸命事に当たる」のは情緒的コミットメントの一例であり、「△△が得なので一生懸命事に当たる」のは功利的コミットメントの一例である。

 コミットメントを高めるには、共感可能な組織の価値を提示することで人間の情緒的な側面に働きかけることと、経済的な価値を提示することで人間の功利的側面に働きかけることが必要となる。

 コミットメントの大小は、個人の属性や性格にも起因す…

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