宿泊施設は本質的に宿泊サービスだけを提供する場所ではない。これは古今東西、共通している。

 人の睡眠欲を叶える以外にも、世界の安宿は、痒いところに手が届くような様々なサービスを用意している。現地ツアーや特産品の土産販売、バスや鉄道、船のチケットなど、欲しいものを何でも手配してくれるところもある。

 また、仮に合法ではなかったとしても、時にはセニョリータや大麻などをルームサービスしてくれる魔窟もある。宿は睡眠だけでなく、人間のあらゆる欲望を満たしてくれるのだ。

安宿では部屋を自分の目で確認してから値段交渉へ

通称、独房。これぞ、安宿!

 旅行資金を節約すべく安宿ばかりに連泊していると、身体に素寒貧(すかんぴん)な匂いが染み付くものだ。往々にして安宿や日本人宿に長期間、沈没している人の醸し出す雰囲気は似通っていて、浮き世の掃きだめに群がる、孤独な人間特有の怠惰で無気力な風情が漂っている。そんな怪しい匂いをまとわぬためにも、時には高級ホテルに泊まりたい。

 安宿に宿泊する場合、その目星をつけるにはインターネットの安宿サイト(筆者の運営する安宿情報サイトはこちら)を利用すると初めて訪れる場所であっても目星がつけやすい。

 ただし、ガイドブックやウェブサイトに載っている宿や、たとえクチコミで評判の宿であったとしても、最終的には自分の目で外観、部屋を確認し、宿の主人やスタッフの感じなどをチェックしてから決めた方が無難である。

 安宿紹介サイトの最大手である「ホステルワールド」などでオススメ5つ星の宿であったとしても、我田引水よろしく経営者や従業員が宿に有利なコメントを掲載していることも少なくない。