私が世界一周の旅行をして実感したのは、旅の印象を決めるのは2つの要素だということだ。

 1つは、行った先々でどういう人に出会ったかという要素である。どんな人に出会い、どういう時間を共にしたかが、その場所の印象を大きく左右することになる。

 個別の出会いの印象はここでは書かないが、様々な国を歩き、様々な人たちと出会って感じたのは、財力や名誉が必ずしも富貴で尊いというわけではなく、また、それが必ずしも幸せを意味するとは限らない、という素朴なことだった。

 貧しいと言われる国や地域ほど、目に見えない互助の精神が生きていて、人間関係が濃密で温かかったりする。日本にいると、資本主義の先進国が世界をリードしているように思えるが、世界の人が相対的に幸せを感じているのは、先進国よりも途上国の人ではないかと私の目には映るのだ。

 さて、もう1つの要素は、今まで見たこともない絶景に相対した時の衝撃度である。

 絶景には、今までの価値観や考え方や行動といった生き方さえも変えるほどのインパクトとパワーがある。

 以下では、私が世界一周旅行で訪れた場所の中から、独断と偏見で世界の絶景トップ10をお披露目したい。いずれも、私がもしも余命1年と宣告されたなら、死ぬ前にぜひもう一度訪れて見ておきたい場所である。

【1】 南米のギアナ高地

 かつて地球上の大陸は1つであった。この地を中心とした回転軸で2億5000万年前に大陸の分裂が始まった。ここは、地球上で最も古い岩石で形成されているエリアである。遺伝子レベルで共鳴するような不思議な空気が流れている。

ギアナ高原のエンジェルフォール(筆者撮影、以下同)

 【2】 ブラジルのレンソイス・マラニャンセス

 白く輝く宝石の砂丘。砂丘の砂の成分はほぼ100パーセント水晶、石英でできており、それが太陽光に反射して白く見える。雨季の間にだけ、砂丘の至るところに無数のエメラルド色の湖が現れる。世界でここでしか見ることのできない絶景。

レンソイス・マラニャンセス