東日本大震災後に、結婚に踏み切る人たちが増えているという。

 <結婚相談サービス大手の「結婚情報センター」(東京都中央区)によると、郡山支店では震災後に入会者が2倍に増えたそうだ。女性が多く、面談では「一人だと不安」「結婚して安心したい」という声が数多く聞かれるという。>

 歌手の夏木マリ(59歳)とパーカッション奏者の斉藤ノヴ(60歳)は、2007年夏から交際を始め、籍にとらわれない「フランス婚」(=事実婚)を続けてきたが、今年の5月に婚姻届を提出した。

 特に公表しなかったため、5月26日付のスポーツニッポンによる結婚報道を受けて、夏木は報道各社に宛ててコメントを発表した。

 <(震災で)さまざまなことを考え、思いをめぐらせました。人が生きるということ、暮らすということ、働くということ、私が自然体のスタイルとして選択していた“フランス婚”についても、もう一度考えてみました。>

(毎日新聞、6月4日付夕刊「深よみエンタ」より)

 このコメントだけでは、どうして夏木、斉藤夫妻が事実婚を解消して婚姻届を提出することにしたのかいま一つ分からないが、大震災による被害を目の当たりにして、2人の絆をより確かなものにしたいという心理が働いたものと思われる。

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 もっとも、「1人だと不安」や「結婚して安心したい」という心理は単身者にとっては付き物と言ってもいいだろう。

 私も時折、独身の女性編集者や新聞記者からグチをこぼされることがあり、才色兼備の彼女たちにしてからがそうした不安に陥るのかと驚かされた。

 私は24歳で結婚したせいもあり、「1人だと不安」とか「結婚して安心したい」といった気持ちとは無縁のまま妻帯者になった。妻と知り合ってから結婚を決めるまでも半年ほどと短かったため、この先どうなるのだろうという不安の方が大きかった。

 恋愛結婚ではあったものの、彼女との付き合いは極めて浅く、まるで見合い結婚のようだと思ったのを憶えている。

 それでも生涯の伴侶を得た喜びはあり、それはつまり自分が妻から生涯の伴侶として認められた喜びでもあった。