写真提供:共同通信社
ユニクロを展開するファーストリテイリングの連結売上高が3兆円の大台を突破した(2025年8月期)。世界2位のH&Mに肉薄し、首位インディテックスの背中も見えてきた。同社の元執行役員が書いた『ユニクロの戦略』(宇佐美潤祐著/SBクリエイティブ)から内容の一部を抜粋・再編集。飛び抜けた成長を続ける同社の戦略を徹底解説する。
ファーストリテイリングの「パーパス・ドリブン」の経営が導き出す、社員の挑戦を促す戦略とは?
「パーパス・ドリブン」こそが 未来を拓き・創造できる
■ どうやって山に登るのか?――ストラテジー
『ユニクロの戦略』(SBクリエイティブ)
ユニクロのストラテジーの特徴は、パーパスとビジョンから逆算して組み立てられていることです。一般的なアプローチでは、過去のデータや外部環境の分析から始めますが、ユニクロでは「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というパーパスから出発し、そこから具体的な戦略を導き出しています。
この「パーパス・ドリブン」のアプローチが、従来の「ロジック・ドリブン」のアプローチと大きく異なる点です。過去のデータの積み上げではなく、ありたい姿から逆算することで、従来の枠を超えた大胆な発想が可能になります。
「パーパス・ドリブン」のアプローチ
■「過去」ではなく「未来」を見すえる
パーパス・ドリブンのアプローチは、単にパーパスだけで物事を決めるのではなく、適切なロジックも組み合わせることで完成します。決してロジックを無視しているわけではありません。ただし、その順序が重要になります。まずパーパスから入り、ビジョンに落としこみ、その後でロジックを加えていきます。






