
組織やチームを率いるリーダーには「勇気」が必要だ。それを磨くには、まず自分自身の「臆病さや不安(ヴァルネラビリティ)」を受け入れることが必要だという。本稿では『dare to lead リーダーに必要な勇気を磨く』(ブレネー・ブラウン著/片桐恵理子訳/サンマーク出版)から内容の一部を抜粋・再編集。勇気と不安の関係や、不安への向き合い方、リーダーシップのあるべき姿について解説する。
リーダーになったら決してやってはいけない「花丸収集」「ジグザグ逃避」とは?
武装したリーダーシップ――花丸を収集する

「業績を認められたい」のは当然の願望だ。キャリアの初期に、個人プレーヤーとして花丸を集めるのはかまわないし、完璧主義ではなく健全な努力によって花丸を手に入れようとするのはむしろいいことだと言える。
実際、自分の強みがまだどこにあるのかわからない段階で、自分の力を発揮できる場所を探ることは重要だ。しかし、ひとたび「管理する側」になったら、メダルやリボンを集めることはゴールではなくなり、逆にリーダーとして「やってはいけないこと」になる。
勇敢なリーダーシップ――花丸を分配する
直感に反するように聞こえるかもしれないが、そもそも私たちを突き動かし、結果として組織でのし上がることになった要素は、すぐれたリーダーシップを妨げる可能性がある。組織内で成長をつづけ、勇敢なリーダーシップという役割を完全に体現するには、「見返りを求めず他者に報いる」しかない。