シンフォニーマーケティング 代表取締役 庭山一郎(撮影:川口紘)

 欧米の先進企業と比べて日本企業はマーケティングが弱いといわれている。とりわけ日本のB2B(B to B)企業は、一昔前までほとんどマーケティングをしていなかったとの指摘もある。『儲けの科学 The B2B Marketing』(日経BP社)の著者で、B2Bマーケティングの専門家である庭山一郎氏に、B2Bマーケティングとは何か、なぜそれが必要なのかを聞いた。(前編/全2回)

■【前編】B2Bマーケの第一人者・庭山氏が語る、日本企業に「マーケティング至上主義経営」が不可欠な理由 ※本稿
【後編】「ROIはマーケティングの評価軸にそぐわない」B2Bマーケの第一人者・庭山氏が説く、改革に必要な経営層の本質的理解

<著者フォロー機能のご案内>
●無料会員に登録すれば、本記事の下部にある著者プロフィール欄から著者フォローできます。
●フォローした著者の記事は、マイページから簡単に確認できるようになります。
会員登録(無料)はこちらから

高まるB2Bマーケティングへの関心

――著書『儲けの科学 The B2B Marketing』の「はじめに」に、「これまではマーケティングの専門的な本を書いてきたが、今求められているのはマーケティングとセールスの全体を俯瞰できる本だ」と記されています。

庭山 一郎/シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役

1990年にシンフォニーマーケティング株式会社を設立。35年以上にわたって製造業、ITサービス業など600社を超えるB2B企業のマーケティングを手がける。マーケティングコンサルティング、運用支援、研修サービス等を提供している。IDN理事。中央大学大学院ビジネススクール客員教授。著書に「儲けの科学 The B2B Marketing」「BtoBマーケティング偏差値UP」「究極のBtoBマーケティングABM」「ノヤン先生のマーケティング学」ほか多数。

庭山一郎氏(以下、敬称略) 私は2016年にアカウントベースドマーケティング(ABM)の専門書を書きました。それから7年たってABMはずいぶん進化しましたし、事例も増え、私自身のノウハウも蓄積がだいぶたまってきたので、ABMのアップデートの本を書こうと思いました。それで出版社(日経BP)に相談したら、ぜひ出したいということで話が進みました。ただ最近はB2Bマーケティングの専門書が結構出版され、専門的なとがった内容の本もある。そういう中で私が出すのなら、全体を俯瞰できるような本にしてほしいとリクエストされたんです。






――B2Bマーケティングの本が増えているということですが、関心が高まっているのでしょうか。

庭山 それは間違いないですね。私が35年前にB2Bマーケティング専門の会社を立ち上げた時とは、比べ物にならないほど関心が高くなっています。世の中には、B2Cの会社よりB2Bの会社の方がはるかに多い。しかしこれまでマーケティングを重視してきたのはB2Cの方でした。昨今、ようやくB2B企業もマーケティングをしなければいけないと考えるようになったのはいいですが、社内にマーケティングを体系的に学んだ人がほとんどいないし、どう勉強すればいいのか分からない。社外で行われている研修に社員を行かせようと思っても、そうした研修はほとんどがB2C向けなんですね。そんな状況の中でこの本が出版されたので、多くの方に興味を持っていただけたのではないでしょうか。