「空間コンピューティングと生成AIが近未来をつくる」と訴える近未来学者のニール・レディング氏

 米国テキサス州・オースティンで3月8~16日、先端テクノロジー展示会や音楽祭、映画祭などで構成される巨大複合イベント「SXSW」(サウス・バイ・サウスウエスト)が開催された。筆者はカンファレンスを中心に参加し、「トレンド」や「未来予測」のセッションを複数聴講。そこから生成AIや空間コンピューティング、そしてその組み合わせといったトレンドが見えてきた。(文・写真:田中森士)

「AIに抵抗するのをやめて学び始めよう」

 今年のSXSWの話題の中心は、生成AIであった。筆者が聴講したほとんどのセッションで言及されたと言ってもいい。単なるトレンドにとどまらず、何かを議論する上での前提に常に含まれていた。ただし、生成AIを手放しで礼賛するのではなく、脅威やリスクを冷静に分析したセッションも目立った。

米アンストッパブル・ドメインズのサンディー・カーターCOO

「心と機械の融合:AI以降の仕事の世界における7つの未来トレンド」と題したセッションはその一つだ。アマゾン・ウェブ・サービスの元副社長で、現在は米アンストッパブル・ドメインズのCOO(最高執行責任者)を務めるサンディー・カーター氏は、「80%の企業が2024年にAIの利用を増やす」と紹介。一方で、「AIはあなたのビジネスを破壊するだろう」と警鐘を鳴らし、「抵抗するのをやめて学び始めよう」と聴衆に呼びかけた。