「熱烈中華食堂日高屋」を中心に関東地方で450店舗以上の飲食店を展開するハイデイ日高。1973年の創業から50年を超えた2023年、同社としては初めての中期経営計画となる「Hiday 500」を策定した。この中期経営計画においてキーワードとなっているのが、3つの「5」だ。5という数字を起点にどのような成長戦略を描くのか? そして、策定から1年がたった現在の状況は? 代表取締役社長の青野敬成氏に聞く。
業績は好調も警戒する顧客の節約志向
――ハイデイ日高は2023年2月期に3年ぶりに営業利益の黒字化を達成し、2024年2月期は営業利益が46億円となりました。足元の経営環境をどう見ていますか。
青野敬成氏(以下敬称略) 当初、2024年2月期の業績は、売上高440億円、営業利益が30億円と計画していました。その後に上方修正し、売上高470億円、営業利益は41億5000万円の業績予想となり、最終的には売上高487億円、営業利益は46億円となりました。
中期経営計画「Hiday 500」では、2026年2月期に売上高480億円とする計画でしたが、1年で達成となりました。
――かなり好調だということですね。
青野 ところが、そうとは言い切れません。2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類感染症に移行し、その後は確かに客数や売上は順調に伸びていきました。その時点では、V字回復していたといえます。
しかし、同年10月以降は、お客さまの節約志向が強まったと実感しています。具体的には、客単価が下がる傾向が見られます。私たちも2023年に価格改定をしていますが、同業他社、あるいは他業種も同様に値上げしています。V字回復から環境が少しずつ変わっていると感じているところです。
――そうした中でも、2024年2月期、そして2025年2月期も、当初の予想や計画を上回る勢いの要因はどこにあると考えますか。
青野 客単価は下がりつつあっても、客数が増えているからです。日高屋の特徴は「リーズナブルであること」です。それはお客さまにも認知していただいていると思います。
そのため、これまで他店をご利用していたお客さまが、日高屋に来ていただいていると見ています。