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 11月26日、ディスカウントスーパーのオーケーが大阪の高井田店をオープンした。同社にとってはこれが初めての関西進出だ。関東最強のディスカウントスーパーと評される同社の強さはどこにあるのか。そしてその攻勢を関西のスーパー各社はどう受けて立つのか。

 流通業界専門誌、月刊『激流』の加藤大樹編集長に聞いた。

オーケーは「EDLP」、多くのスーパーは「HILO」

――オーケーはどうしてこのタイミングで関西に進出したのですか。

月刊激流

1976年、製配販にまたがる流通業界の専門誌として創刊。スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、百貨店など、小売業の経営戦略を中心に、流通業の今を徹底的に深掘り。メーカーや卸業界の動向、またEコマースなどIT分野の最前線も取り上げ、製配販の健全な発展に貢献する情報を届ける。

加藤大樹氏(以下敬称略) オーケーは数年前、「関西スーパー」を展開する関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)に買収を持ちかけました。しかし、このときはエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)との争奪戦になり、関西スーパーマーケットはH2Oの傘下に入りました。つまりオーケーはその頃から関西進出を考えていたことになります。

 ですから、今回の関西進出は、数年前からしっかり準備をしてきた上での決断というわけです。関西ではこれから大阪と兵庫を中心に出店していく計画で、すでに2025年1月には西宮市に出店することが明らかになっています。同社は今後、関東と関西で合わせて年間2桁の出店を続けていきたいとしています。

 今は人口減の時代ですから、同じマーケットだけで事業を行っていたら、ある程度シェアを拡大することはできても、いずれ頭打ちになってしまうのは目に見えています。ですから新たな市場を取りにいくことは、成長を目指す企業なら当たり前のことです。

 今、オーケーが事業を行っている関東は全国で一番肥沃な流通市場であり、関西はそれに次ぐ人口規模の市場ですから、そこに出ようとするのも当然のことと言えます。オーケーに限らずロピアやバロー、ジャパンミートなどの各社が関西市場に攻め込んでいるのもそのためです。

――オーケーは、関東最強のディスカウントスーパーと言われています。

加藤 エブリデイロープライス(EDLP)というコンセプトを掲げているだけあって、商品の価格は本当に安いですね。一般に多くのスーパーは、チラシなどの広告で目玉商品の値を下げ、期間が過ぎたら元の値に戻すハイ&ロー(HILO)の戦略をとっていますが、オーケーのEDLPは、基本的にどの商品も毎日安いのが大きな特徴です。

 特に目を引くのがNB(ナショナルブランド)商品です。