「渋滞回避」は本当に実現するのか(写真:つのだよしお/アフロ)

「ナビ上は緑なのに行ってみたら大渋滞」は日常茶飯事

 ドライブで嫌なものの筆頭は何と言っても渋滞だろう。単なる時間と燃料の浪費にしかならない渋滞を何とか回避できないものかと、ドライバーなら誰もが思うことだろう。

 だが、渋滞を避けるのは大変難しい。そもそも今起こっている混雑や渋滞を把握すること自体があやふやだからだ。

 国土交通省は20年近くにわたってITS(高度道路交通システム)を巨額の費用をかけて整備してきたが、そのひとつである道路に設置されたセンサーで渋滞や混雑を検知するVICS(道路交通情報通信システム)の渋滞情報が往々にしてアテにならない。

 今どきのカーナビは地図上に混雑をオレンジ色、渋滞を赤色に表示してドライバーに知らせる機能を有しているが、順調を示す緑や青色の表示なのに行ってみたら大渋滞していた、逆に表示は真っ赤なのに行ってみたらまったく順調だった、などということが日常茶飯事である。とくに知らない土地でカーナビを見て渋滞を避けるのはかえってドツボにはまることにもなりかねない。

カーナビは順調を示しているのに、現実は大渋滞ということも(筆者撮影)

 渋滞情報を見るだけならGoogleMapなど、メガプラットフォーマーが提供するリアルタイム情報がVICSとは比較にならないくらい正確なので、それを見るという手がある。が、遠距離の場合、今は大丈夫でも通過する時に渋滞しないかという懸念が生じる。

 そこで重要になるのが、将来どのくらいの渋滞が起こるかを予測する技術なのだが、現時点ではこれが心もとない。1本脇の道を通るだけで渋滞を回避できそうだと思いながら、予測が外れだった時を思うとなかなか踏ん切りがつかないゆえんである。