写真提供:ゲッティ/共同通信イメージズ

 知的エリートである戦略コンサルタントの中でも、別格のパフォーマンスを発揮する超一流の人たちは「ものの見方」がそもそも違う。では、彼ら・彼女らは世の中をどのように見ているのか。ボストン コンサルティング グループ(BCG)出身のトップコンサルタントが30年間積み上げた知恵と経験の集大成として書いた『戦略コンサルのトップ5%だけに見えている世界』(金光隆志著/クロスメディア・パブリッシング)から内容の一部を抜粋・再編集。標準的なコンサルと超一流の違いの一つである「考えるという行為」について考える。

「創造性」はいかに生み出されるのか。天才物理学者アインシュタインによる「特殊相対性理論」の発見を例に考察する。

トップ5%の創造性を可能にする思考態度

『戦略コンサルのトップ5%だけに見えている世界』(クロスメディア・パブリッシング)

 戦略コンサルタントのトップ5%が持つ思考態度において重要なキーワードのひとつが「創造性」です。革新につながる創造性の発揮を可能にする思考態度こそが、一筋縄ではいかない、八方塞がりの状況などで如実に力の差を生み出します。

 では、トップ5%の創造性を生み出す思考態度とはどのようなものでしょうか。それを明らかにするために、少々込み入った論理を展開します。

 創造性とは何か、創造性の源は何か、創造性の敵は何かなど創造性をめぐる常識・定石について実例などを交えながら逆説を示します。それら自体が示唆的で興味深い話だと思いますが、創造的思考態度について、本当にお伝えしたいことはその先にあります。

 これらの論理展開をメタから眺めたときに浮かび上がる、一貫して見られる思考態度こそが真に創造性の源泉たる思考態度です。最後に明かします。

 この論理構成を念頭に、少し長い旅路になりますが、論理展開にお付き合いください。

 さて、創造性とは一体何でしょうか。辞書的な意味としては「何かの真似ではない、独自の有用な案を生み出すこと」「現状を打破し、常に新しい状態に作り変えていくこと」「オリジナルなアイデア、異なった視点、問題への新たな見方」といったように定義されています。