「潜在的空き家」こそ磨くべき対象
国土交通省の定義によれば、1年以上誰も住まず、使われてもいない家は空き家とされています。逆に言えば、関係者が1年に1度以上訪れ、掃除やメンテナンスをしていれば、空き家にはならないということです。
こうした「潜在的空き家」は、定期的に人の手が入っているため、大規模な補修をすることなく、そのままの形で使える可能性が高い物件です。
また、取り壊したりせず維持しているということは、持ち主にとって貴重なものであるのでしょう。その分、家としての価値も高いと見込まれます。
このような、将来的に捨てられてしまう可能性がある物件こそ、磨いていくべき対象だと私は考えています。
ただし、その古民家が貴重な存在であるがゆえに、買い取ったり借りたりするまでにはある程度の時間が必要になります。持ち主にはそれぞれ、家を処理したくない事情があって、それが売買・賃貸契約を結ぶ際にネックとなります。
たとえば対処が難しい問題に「仏壇」があります。
経験上、立派な古民家には、たいてい立派な仏壇が置かれていますが、こちらの処遇は難しい問題になりがちです。