■第1回 データやデジタル技術よりさらに大切、DXの成功に最も欠かせないことは何か
■第2回 店で勧められた電気ストーブ、買うと決めたけど高かったらあなたはどうする?
■第3回 価格競争で窮地の居酒屋が編み出したウルトラCの仕入コスト削減方法とは
■第4回 効きそうだけど高いシャンプー、髪に悩む人が思わず注文してしまう勧め方
■第5回 ECサイトで靴や服は売りにくい、そんな悩みをすっきり解決させた制度とは
■第6回 競合に値下げを挑まれた書籍ECサイト、苦境を救った価格を下げない秘策とは
DX企画・推進人材が身に付けるべき「顧客価値提供力」はどうすれば養成できるのか? DXやデジタルビジネスの成功事例には、「顧客価値を高めるビジネスの仕掛け」がうまく使われている。本連載では、顧客価値を高める9の方法をテーマに、ビジネスアイデアを発想できる考え方、事例などを解説する。
顧客価値を高める9の方法は以下の通り。
今回のテーマは「5.推奨がある、信用できる、自分にぴったり」である。
顧客価値を高める手法としての「推奨がある」とは、商品やサービスの購入判断に影響する他人の評価や推奨要素があるということである。また、「信用できる」とは、商品やサービスを購入しても問題がないことを保証する種々の要素があるということ。「自分にぴったり」とは購買する商品やサービスが自分の用に適するものであり、購入しても失敗がないと確信できる要素があることである。
つまり、これらは、購入者が商品やサービスを買う上で、「購入することは正しい、問題ない」ことを確信するための判断材料として利用される。
「選べない、差が分からない」は、こう解決する
ある国に本や文具、家電など多くの商品を売るECサイトがあった。注文がしやすいし、配送も早いというので人気があり、事業は順調だったが、商品の数が多くなるにつれ、お客から「商品が多くて選べない、同じような商品で差が分からない」などの声が寄せられるようになった。
ECサイト運営会社の社長は、どうするかを社員に考えてもらうことにした。相談した人は2人。1人は営業企画担当のAさん、もう1人はお客さま相談窓口担当のBさんだった。