■第1回 データやデジタル技術よりさらに大切、DXの成功に最も欠かせないことは何か
■第2回 店で勧められた電気ストーブ、買うと決めたけど高かったらあなたはどうする?
■第3回 価格競争で窮地の居酒屋が編み出したウルトラCの仕入コスト削減方法とは
■第4回 効きそうだけど高いシャンプー、髪に悩む人が思わず注文してしまう勧め方
DX企画・推進人材が身に付けるべき「顧客価値提供力」はどうすれば養成できるのか? DXやデジタルビジネスの成功事例には、「顧客価値を高めるビジネスの仕掛け」がうまく使われている。本連載では、顧客価値を高める9の方法をテーマに、ビジネスアイデアを発想できる考え方、事例などを解説する。
顧客価値を高める9の方法は以下の通り。
今回のテーマは「3.無料試用できる、返品できる」だ。これは前回説明した「2.割引」と同様の効果を持つもので、お客に無料試用やお試し体験(初月無料、1回目半額、試乗、体験コース、フリーミアムなど)をしてもらってベネフィットを上げ、購入につなげる方法である。
例えば、あなたはここ数年、「服のサイズがアップしてきた」とする。お酒もラーメンもやめようと思うが、ストレスがたまると味の濃い、脂っぽいものをビールや日本酒で流し込んでしまう。結果、痩せないし、顔もむくみがちである。
スポーツクラブに行こうと思うが、会費も高いし、週に何回も行けるか自信がない。もっと手軽なものはないかとネット検索すると「簡単ダイエットアプリ」が目に留まった。見ると、食べたものを記録したり、歩いたり、夜8時以降に食べないようにするとポイントがたまって、割引で低カロリーフードが買えるらしい。
面白そうだが、月額800円台は少し高いと躊躇する。今までダイエットをやろうと思っても続かなかったからだ。そう思ってサイトを見ていたら「無料お試し版」があった。無料で1カ月体験して、毎週、一定のダイエット活動をするとコンビニで交換できる低塩分・低油分の健康に良い食品が当たるという。
無料ならやってみよう。続かなければ、それでよいし、楽しければ続くだろう。そう考えると体験版は良い選択と思う。無料期間で体験しダイエット活動が身に付けばラッキーだし、無料期間だけで終わってもお金を払ってないので後悔をしない・・・これが消費者から見た「無料試用」の事例である。