Z世代の顧客づくり、リピーターづくりにも積極的
「ときわ亭」にZ世代のお客が集まる理由は、それだけではない。Z世代の顧客づくり、リピーターづくりも積極的に行っている。
「ときわ亭公式アプリ」の会員となると、来店のたびにレモンサワーにトッピングする「冷凍レモン」がプレゼントされるが、それに加え、アプリ会員は来店回数に伴って階級が上がっていき、来店時の特典がランクアップする(スタートは「幕下レモン」という階級で1~3回の来店、ここでは「金色のタンブラー」と「塩ホルモン1皿」がプレゼントされる。現状の最高位は「横綱レモン」で19~23回の来店、特典は「直営店レセプションご招待券」となる)。
また、4月5日より「ときわ亭公式アプリ」を全面的にリニューアルし、新たにポイントプログラムを導入する。来店ごとに加算されたポイントで商品や限定ノベルティを交換できるほか、来店ポイントが倍増になるキャンペーンや、ためたポイントを友達とシェアできるなどの企画を予定している。
現状、ときわ亭のアプリ会員は全国に約20万人。直近3カ月のデータによると、アプリ会員の再来店率は42%で、アプリ会員に連れてきてもらった新規客が、先に述べた「楽しそうな空気感」を体験して、アプリ会員となって再来店するわけだ。
ときわ亭では、アプリ会員に向けたキャンペーンも展開する。直近では「ぜんぶときわ亭だ。」が2月中の月曜日から木曜日まで限定で実施された。その内容は「当日の朝、ときわ亭の担当社員が『寒い』と感じたら、0秒レモンサワー60分550円を無料で提供する」というもの。期間中は当日の朝8時にアプリ会員に知らせが届く。
このように、ときわ亭には、さまざまな「お得」があるのである。
「ときわ亭コミュニティ」もZ世代を引き付ける理由
さらに、ときわ亭では「公認アンバサダー」の制度を導入。これはときわ亭の本部がアンバサダーを公募し、その中から12人を選出してアンバサダーの任務を遂行してもらうというものだ。
任期は半年間で、アンバサダー任務は以下のような内容。
・任期中に月1回以上来店して、食事の様子をSNSに投稿する(指定のハッシュタグやレギュレーションがある)
・任期中に数回のアンバサダーミーティング(オンライン、リアル)に参加する
・「ときわ亭キャンペーン」の告知をSNSに発信する
・その他のPRに協力してもらうこともある
ときわ亭の調査ではアンバサダーが一度ツイッターで発言をすると200人の集客につながるという。
アンバサダーの活動特典は任期中の毎月1日に「ときわ亭」で利用できるアンバサダークーポン「3000円×2枚」が公式アプリで届けられること。アンバサダー任務に対して任期中(半年間)の報酬が3万6000円の「ときわ亭お食事券」ということだが、その多寡についてはさておき募集開始とともに希望者が絶えないという。公認アンバサダーは「ときわ亭ラバー」にとっては誇らしい任務。こうした点もZ世代を引き付ける理由の一つになっている。