「総合インフラサービス企業」として、日本、世界のインフラが抱える社会課題の解決をミッションとするインフロニア・ホールディングス。その解決の手段として、DXを「デジタル技術によるルールチェンジ」と定義づけ、さまざまな変革に取り組んでいる。水道、道路のマネジメント革新からスポーツ・エンターテインメントビジネスへの拡大まで、取り組み事例を交えながら、同社が挑むイノベーションを、取締役 代表執行役社長 兼 CEOで、前田建設工業株式会社 代表取締役執行役員副社長を務める岐部一誠氏が解説する。

※本コンテンツは、2022年12月1日(木)に開催されたJBpress/JDIR主催「第15回 DXフォーラム DAY2」の特別講演4「DXによるインフラ事業の経営イノベーション」の内容を採録したものです。

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インフラの社会課題解決を目指す「総合インフラサービス企業」のDXとは

 インフロニア・ホールディングス株式会社は、前田建設工業株式会社、前田道路株式会社、株式会社前田製作所の共同持株持ち株会社として、2021年10月に設立。これまで3社がおのおの培ってきた強みを生かして「総合インフラサービス企業」を目指す目指している。同社取締役代表執行役社長 兼 CEOであり、前田建設工業株式会社の代表取締役執行役員副社長の岐部一誠氏は、まず、インフラが直面するさまざまな社会課題について言及する。

 少子高齢化・ 人口減少に伴う経済の低成長や税収減少の中で、社会を支えるインフラをどのように維持・更新していくかが、日本の大きな社会課題となっている。「私たちはインフラが抱える社会課題の解決を、自社の大きなミッションとしています。しかしこれらは、従来のように工事を行うだけではとても解決できません。投資、事業計画といった上流から、建設、維持管理・補修、インフラ運営までをワンストップで進めることが必要だと考え、総合インフラサービスを打ち出しているのです」と岐部氏は語る。

 同社はこれまで利益の源泉であった請負事業をエンジニアリング力で強化・拡大するとともに、脱請負業の領域で競争優位となる建設サービスへの対応拡大を狙う。そのための経営の変革を「コンテンツ×ストーリー」と捉え、さらにDXを「デジタル技術×ルールチェンジ」と定義づける。これは、デジタル技術をコンテンツとして、ルールチェンジというストーリーをつくりあげるということだ。