iPhone、高価格帯市場でシェア拡大
若年層の間でのシェアが拡大すると、高価格帯端末市場におけるアップルの地位も向上するとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
シンガポールに本部を置く調査会社カナリスによると、価格が800ドル(約10万9000円)以上のスマホの世界出荷台数に占めるiPhoneのシェアは、18年の65%から22年には76%に拡大した。これに対し、同価格帯におけるサムスンのシェアは27%から17%に縮小した。かつて世界首位に浮上した中国・華為技術(ファーウェイ)が米政府の輸出規制によって失速した後、中国市場はアップルにとって成長の原動力となっている。
香港の調査会社カウンターポイントリサーチによれば、高価格帯端末はスマホメーカーにとって極めて重要だという。このカテゴリーの製品はメーカーに最大の利益をもたらすことに加え、技術力とリーダーシップを示すことができるからだという。
高価格帯の需要、強じん性あり
またスマホ市場が低迷する中でも、高価格帯端末に対する需要は比較的レジリエンス(強じん性)があるといわれている。カナリスによると、22年の世界スマホ出荷台数は前年比12%減少した。背景には、消費者需要の落ち込みやインフレ、先行き不透明な経済がある。しかし、800ドルを超えるスマホの出荷台数は同1%増となり、マイナス成長を回避した。
一方、低・中価格帯を含めたスマホの世界出荷台数では依然としてサムスンが首位を維持している。ただ、この市場セグメントでもアップルはサムスンを猛追している。カナリスによると、サムスンの世界出荷台数シェアは過去5年間、約21%と横ばいで推移。これに対し、アップルは18年の15%から22年に19%へと拡大した。