アルファベット傘下で生命科学を手がける米ベリリー・ライフサイエンセスは23年1月、従業員の約15%を削減したと明らかにした。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、ベリリーの従業員数は約1600人であり、削減対象は200人程度だった。
同社はそれ以前の09年にも比較的大きなリストラ策を発表したが、そのときの対象は、販売とマーケティング部門の200人程度だった。
一方、アルファベットの22年7~9月期業績は、売上高が前年同期比6.1%増の690億9200万ドル、営業利益は同18.5%減の171億3500万ドル、最終利益は同26.5%減の139億1000万ドルだった。
こうした業績結果を受け、アクティビスト(物言う株主)として知られる英TCIファンド・マネジメントは22年11月、アルファベットに対して積極的にコストを削減するよう要求した。TCIは今回の発表を受け、さらに積極的な対策を取るべきだと指摘した(ウォール・ストリート・ジャーナル)。TCIのマネジングディレクター、クリストファー・ホーン氏は書簡で、「経営陣は、21年末時点のアルファベットの従業員数を合わせて約15万人にまで減らすことを目指すべきだ」と述べた。 6%ではなく、20%程度削減する必要があると指摘している。
テック企業の人員削減、22年15万人超、23年すでに5万人超
米国を中心とするテクノロジー企業のリストラ情報を集計するLayoffs.fyiは、22年には計15万5126人の人員削減が発表されたと報告している。23年はすでに計5万5324人の削減が明らかになり、この1月は昨年から始まったテック企業による一連のレイオフ(一時解雇)の中でも最悪だったという。
米マイクロソフトは23年1月18日、1万人規模の人員削減計画を発表した。オンライン家具販売の米ウェイフェアは従業員の約10%をレイオフすると発表した。ビデオゲームのアプリ開発ツールを手がける米ユニティー・ソフトウエアも人員を削減した。
このほか、米セールスフォースは23年1月4日、全従業員の10%にあたる約8000人を削減すると発表。米アマゾン・ドット・コムは同日、事業計画の見直しに伴う人員削減の規模が1万8000人超になると明らかにした。SNS(交流サイト)のFacebook(フェイスブック)などを運営する米メタは22年11月、創業来初の大規模リストラ策を発表。全従業員の約13%にあたる1万1000人超を削減する。