小米の幹部は、「需要が弱いため、我々はさまざまな方法で在庫一掃を試みているが、それが利益の減少を引き起こしている」と述べた。
半導体受託生産大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)の共同最高経営責任者、趙海軍氏は、「スマホやスマホ部品を手がける企業が突如、発注量を減らし、サプライチェーンにパニックを引き起こした」と述べている。
高価格帯スマホの売上高は2割増
一方で、ウォール・ストリート・ジャーナルは、「需要減は必ずしも一様でない」と報じている。香港のカウンターポイント・リサーチによると、価格が900米ドル(約12万5000円)を超えるスマホの売上高は、22年上半期に前年同期比20%超増加した。この価格帯には、韓国サムスン電子の折り畳み式スマホや、アップルの「iPhone」などがある。
カウンターポイント・リサーチによると、世界で販売されるスマホのうち、これらハイエンドカテゴリーに分類されるスマホの台数はわずか10%。しかしハイエンド機の売上高は、スマホ市場全体の70%を占めている。
シンガポールに本部を置く調査会社カナリスのアナリスト、ルナー・ビョルホブデ氏は、「富裕層は日々の出費増にそれほど悩まされておらず、最新スマホを手に入れたいと考えている」と述べている。
アップルも安心できない兆候
アップルは22年8月24日、米太平洋時間9月7日午前10時(日本時間8日午前2時)から米カリフォルニア州の本社で特別イベントを開くと発表した。次期スマートフォン「iPhone 14」シリーズを発表するとみられている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、iPhoneはハイエンドブランドであることの恩恵を受けているが、安心できない兆候もあるという。
iPhoneの組み立てを請け負う台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)や、通信半導体を供給する米クアルコムはいずれも、スマホ需要が鈍化していると指摘する。
半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、同社のスマホ向け事業はもはや最大の収益源ではなくなったと述べている。同社の主力事業は、画像処理や、自動運転などに使われる高性能コンピューティング半導体に移っているという。
(参考・関連記事)「世界スマホ出荷、4四半期連続減 全地域で在庫増加 | JDIR」