iPhone 13(写真:AP/アフロ)

 米アップルが、スマートフォン「iPhone」の新モデルのインド生産を例年よりも数カ月早く始める計画だと米ウォール・ストリート・ジャーナルロイター通信が8月23日に報じた。

 「ゼロコロナ」政策によるロックダウン(都市封鎖)や地政学的緊張などが中国で事業活動をする外国企業にとってリスクとなる中、アップルは中国外の拠点で生産を拡大しつつあるという。

新モデルのインド生産、5カ月前倒し

 事情に詳しい関係者によると、アップルはインドでの生産プロセスを迅速化するべく、電子機器受託製造サービス(EMS)大手に協力を要請している。

 次期モデル「iPhone 14」(通称)を22年9月にリリースした後、早ければ22年11月と、その2カ月後にも同モデルのインド生産を開始する計画だと関係者の1人は話している。

 アップルがスマホの現行モデル「iPhone 13」シリーズを発売したのは21年9月24日だったが、同モデルのインドでの生産を始めたのは、7カ月後の22年4月だった。次期モデルのインド生産開始は、5カ月早まることになるという。

インド製iPhone 14を輸出へ

 中国では、上海などの産業中心地で敷かれたロックダウンにより、サプライチェーン(供給網)や物流網が混乱した。これが消費を抑制し同国の経済全体に影響を及ぼした。こうした中、アップルは主要サプライヤーに対し、中国外の製造拠点で生産を増やすよう求めている。