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あおぞら銀行は、1957年に設立された日本不動産銀行をルーツに持つ歴史ある銀行だ。2001年に現在の商号(あおぞら)に至るまで紆余曲折あったが、あおぞらになってからは、銀行業界では過去になかった働き方改革への取り組み、店舗で現金を扱わないキャッシュレスの導入、金融サービスBANKのサービス開始、自社ATMを持たない運営など、従来の銀行とは大きく異なる運営が注目を引く。そんなあおぞら銀行では今、DXに向けて大きな取り組みを進めている。より一層の業務のデジタル化などに加え、こうした技術を柔軟に使い、新たなイノベーションを目指せる人材の育成に大きく注力している。そんな同行のDXにもつながるデジタル人材育成について聞いた。
ライフスタイルの変化、規制緩和、フィンテックの台頭など、金融機関の経営環境は激変の一途。今やDXによる変革は待ったなしです。金融業界におけるDXキーパーソンへのインタビューにより、DX戦略の全体像から、データ活用、CX、カルチャー変革、デジタル人材育成まで、金融DXの最新の事例を取り上げます。
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人材育成は、あおぞら銀行DXのミッション2
「今のあおぞら銀行のDXは、ミッション2という段階と言えます」と語るのは、あおぞら銀行 CTO副担当 兼 デジタル企画部長の楠田佳嗣氏だ。ミッション1は2017年、まだDXという言葉が話題になっていない頃、同行が始めたリテールビジネス構造改革と言う。個人向けのビジネスモデルを抜本的に見直すことを目標とし、楠田氏も参加していろいろな改革を行ってきた。銀行店舗に来なくても済むBANKアプリケーションの展開、お客さまの手続き負担の軽減のためにサインや印鑑を不要にする運用の導入、他にも店舗事務の多くを中央の事務センターに集めて省力化などを実践した。
並行して同行は従業員の働きやすさ向上のための諸制度を整備。コアタイムを設けないフレックスタイムを2016年から推進し、2017年には「在宅・モバイル勤務制度」の導入にも至る。こうした変革を次々と考案し実践してきたあおぞら銀行のDX向け人材育成とは、どのようなものなのだろう。
3つのコースで全員の育成を目指す
あおぞら銀行のデジタル人材育成は2021年3月からスタートした。今までもデジタル技術の利活用は行っていたが、ここからは全社員対象の人材育成を目指すことになる。「あおぞら銀行グループとして、どういうデジタル人材をどういうふうに育成するかにトライしました」と楠田氏は語り、3月早々「デジタル関心度サーベイ」という名称で全社員約2000人に向けて、抜き打ちで外部サービスを利用したアセスメントを実施。「いきなりメールを出してのアセスメントですから、当時、社内のハレーションは小さくなかった」と楠田氏は苦笑する。ただ、これは高得点を取れば良いというものではない。デジタル時代において、自分が今、どのような位置にいるか、自分の強みや弱みを客観的に知るためのもので、スタート位置を明確にしようというものだ。
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