22年6月初旬には米テスラのイーロン・マスクCEOがサラリー(月給)ベースの従業員を10%削減する計画を明らかにしたと報じられた。米ネットフリックスも人員削減を決めた。
米ウォール・ストリート・ジャーナルは22年6月下旬、米アマゾン・ドット・コムが数十の実店舗を閉鎖し、新規採用を抑制すると報じた。
また、米ツイッターでは、パラグ・アグラワルCEOが従業員宛のメモで「採用を一時停止する」と述べた。ロイター通信によると、ツイッターは22年5月下旬に、採用を内定していた一部の大学新卒者に1人ずつ電話で連絡を取り、取り消しを告げた。
「トップレベルの人材獲得できるチャンス」
CNBCによると、今回の調査対象になったほぼ3分の1の企業が、今後1年間に従業員数を調整する必要があると答えた。こうして米テクノロジー企業で採用抑制が相次ぐ中、この混乱を好機と捉えトップレベルの人材確保を狙う企業も少なくないという。
今回の調査では、55%の企業が「求人市場の混乱は、他の機会では引き付けられなかっただろうトップレベル人材を獲得できるチャンスだ」と述べたという。
報酬ベンチマークソフトウエアを手がける米スタートアップ企業オープンコンプの創業者でCEOのタン・ウェン氏は、「当社の人材パイプラインはこれまでになく良い。以前よりもはるかに多くの採用候補者がいる。その中には、これまで面接する機会さえなかった人もいる」と述べた。
CNBCの調査では86%が「スキルを持つ人材を獲得するためにより高い賃金を支払う必要がある」と回答した。テック企業の採用担当者らは「テクノロジー業界の求人は依然として活気があり、売り手市場が続いている」と話しているという。
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