子連れ出勤経験者は、コロナ禍でのテレワークも上手

オフィスでの子連れ出勤の様子

 コロナ禍で学校休校となったとき、子育て家庭は苦労した。家で遊んでいる子どもに「ウェブ会議だから静かにして!」と声掛けする。子どもからの「見てー!」の呼び掛けに、「ちょっと待ってね」「ごめんね、後でね」を連発する親も多かった。モーハウスではどうだったか尋ねると、意外な答えが返ってきた。

「コロナ禍のテレワークについて調査したところ、モーハウスで子連れ出勤経験者の家庭では、子どもがあまり仕事の邪魔をしなかったと言うんです。親は普段から子どもと一緒に仕事をすることに慣れているし、自分が働いている姿を見せてきているので、子どもも『親が仕事している』ことを何となく理解するんでしょうね。反対に親が仕事する姿を見たことがないと、子どもは配慮できないですよね。特に家庭でのテレワークは生活と仕事の境目がつきにくいので、遊んでもらえると子どもが思ってしまうようです」(光畑さん)

 子連れで働くことが常態化していれば、子どもも親自身も仕事との向き合い方が身に付いている。最後に光畑さんは、現在の子育て社会について感じることをこう語った。
「みんな真面目で、杓子定規になり過ぎだと感じます。昔の商店街では、子どもが親の店を手伝うことは当たり前でした。むしろ、親に頼られるのがうれしかったりと、子どもにとって、仕事って『面白いもの』なんです。今、私はいろいろな企業で育休中の社員にあえて子連れで会社に来てもらい、子連れ出勤研修を兼ねた交流会を行っています。子連れ社員をいきなり戦力とするのはハードルが高いですが、研修なら取り入れやすいと好評です。私たちのような働き方の選択肢もあるんだということを、社会に広めていきたいですね」

モーハウス代表の光畑由佳さん