「今すぐ購入、支払いは後」が急成長
米決済サービスのワールドペイによると、北米の電子商取引(EC)市場におけるクレジットカードの利用率は32%で、非現金取引で最大。だがここ最近は、米ペイパル・ホールディングス傘下の送金サービス「ベンモ」や、「バイ・ナウ・ペイ・レーター(BNPL)」と呼ばれる後払い決済サービスの利用が増えている。
クレジットカードの利用率は2020年に7%減少した。これに対しBNPLは78%増加。新型コロナウイルス感染拡大の影響でクレジットカード利用の減少が加速した。一方でBNPLは若年層を中心に急速に成長している。
ワールドペイは、EC市場における20~24年のBNPL利用率が、北米で1.6%から4.5%に、欧州で7.4%から13.6%に拡大すると予測している。欧州では24年に銀行送金の11.1%を上回り、クレジットカード(19.0%)やデビットカード(16.1%)に迫る規模に拡大するという。
ビザCFO、アマゾンとの早期和解に自信
アマゾンは21年8月、大手BNPLの1社である米アファーム・ホールディングスと提携した。これにより米国の顧客はクレジットカードを使わずに分割払いが利用できるようになる。こうした代替決済手段を拡大することで、アマゾンは変化する顧客需要に対応するとともに、クレジット大手に圧力をかけているという。
アマゾンは22年1月19日に英国でビザのクレジットカードの取り扱いを終了する予定だ。アマゾンの広報担当者は「カード決済のコストは技術の進歩に伴い下がるべきだ」とビザを批判している。
これに対し、ビザは「英国の顧客が引き続きビザを使えるように状況改善に努力する」と述べており、アマゾンとの交渉を続ける姿勢を示している。ビザのバサント・プラブーCFO(最高財務責任者)はロイターとのインタビューで、「我々は過去にも同様の問題を解決した。今回も解決策があると考えている」と述べ、アマゾンとの早期和解に自信を示している。
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