ロングビーチの港(写真:ロイター/アフロ)
米アマゾン・ドット・コムは10月4日、年末商戦時と同規模のセールを米国で始めた(発表資料)。
ブラックフライデーより50日早く
同日から、衣料品や家電、家庭用品、玩具など、自社電子商取引(EC)サイトのすべてのカテゴリーを対象に15~40%の割引商品を公開。こうしたセールを毎日追加していく。
「消費者は年末商戦が本格化するブラックフライデーを待つことなく、クリスマスギフトなどの年末の買い物ができる」(アマゾン)としている。
昨年は新型コロナの影響で、3カ月遅れて会員向け大型セール「プライムデー」を10月13~14日に実施。2日後の10月16日から「ホリデー・ダッシュ」と呼ぶセールイベントを開催し年末商戦を本格化させた。今年はさらに12日前倒してスタートした。今年のブラックフライデーは11月26日。アマゾンはその53日前に年末商戦に突入した格好だ。
他の小売大手も早期セール、狙いは需要分散
米CNBCによると、アマゾンに限らず、多くの小売大手が年末セールを前倒しする。
例えば米ディスカウントストア大手のターゲットは10月10~12日に実店舗とオンラインでセールを始める。米衣料大手ギャップや米家具・日用品大手のポッタリーバーンなども早期の販促を展開すると、ロイターは報じている。
各社の狙いは、11~12月における需要集中を回避すること。背景には物流の逼迫(ひっぱく)や人手不足、サプライチェーン(供給網)の混乱などがあると指摘されている。
米ウォール・ストリート・ジャーナルは21年9月、米西海岸に運ばれてきたコンテナが人手不足のため荷下ろしできず、大量に積み上がっていると報じた。
港湾やトラック運送会社、物流倉庫業者などで人手が足りないという。数万ものコンテナがロサンゼルスとロングビーチの港にとどまり、60隻以上の貨物船が入港待ちの状態。2つの港は、米国の輸入量の4分の1以上を取り扱っており、年末商戦に影響が出そうだという。
こうした中、米スポーツ用品大手ナイキは年末に販売するスニーカーが不足している。米会員制卸売り大手コストコ・ホールセールはペーパータオルに購入制限を設けた。人工クリスマスツリーの価格は25%上昇しているという。
間際の需要取り込めぬ恐れ
21年の年末商戦は大幅な販売増が見込まれるという。米コンサル大手のベイン・アンド・カンパニーは、11月と12月を合わせた販売額が前年同期比7%増の8000億ドル(約88兆9120億円)に達するとみている。
米マスターカードは、実店舗での買い物と消費者の根強い需要を背景に年末商戦の小売売上高が前年同期比7.4%増となり、2年前と比べて11.1%増加すると予想している(CNBCの記事)。
一方、ロイターは別の記事で、米国の小売大手は今年、サプライチェーンや物流の問題に直面し、クリスマス間際の消費者需要を取り込めない可能性があると報じている。
(参考・関連記事)「コロナ禍の米年末商戦、ネットの活況例年超え| JBpress」






