英競争規制当局の競争・市場庁(CMA)は6月25日、虚偽レビューに関して、米アマゾン・ドット・コムと米グーグルに対する正式調査を開始したと明らかにした。
コロナ禍でEC急増、商品レビューへの依存高まる
両社が自社のウェブサイトで偽レビュー排除に向けた対策を十分に講じていないと疑っており、本格的な調査に乗り出す。もし両社が偽レビューを放置するなど、消費者保護法に違反していると判断した場合、改善策を確約させるなど強制措置を取る。訴訟も辞さないとしている。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンやグーグルなどのテクノロジー大手はここ何年もの間、やらせ評価とも言われる偽レビューに悩まされている。アマゾンでは、人的パトロールと機械学習システムで偽レビューを削除している。
だがSNS(交流サイト)など、同社の監視の目が届かないプラットフォーム上で書き込みを売り込んだり、書き手を募ったりする不正行為が横行しており、排除することが困難な状況だ。
新型コロナウイルスの感染拡大で電子商取引(EC)需要が増大し、消費者の商品レビューへの依存度が高まっている。米国テクノロジー大手の市場支配力やプライバシー侵害行為を懸念する各国の規制当局は一連の調査の中で、消費者を欺く偽レビューにも焦点を当てるようになった。
フェイスブックやインスタで偽レビューを取引
CMAは21年4月、米フェイスブックが偽レビューを売買していた1万6000団体を削除したと発表した。