アップル ロゴ(写真:AP/アフロ)

 米アップルは6月23日、モバイルアプリに関するリポートを公表し、「サイドローディング」と呼ばれる正規ストア以外からアプリをインストールする方法は危険だと主張した。

「Androidのマルウエア感染はiPhoneの15倍」

 ハッカーやネット詐欺師がアップルのストア「App Store」以外で「マルウエア」と呼ばれる悪意のあるプログラムをインストールさせ、利用者を危険にさらしてしまうとしている。

 アップルによると、米グーグルの基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」搭載端末では、マルウエアへの感染件数がアップルのスマートフォン「iPhone」の15倍に上るという。

 マルウエアの中には、新型コロナウイルス感染症対策の接触追跡アプリと称しているものもある。だが実は身代金を要求するアプリ。すべての個人情報を暗号化して見えなくし、解除するために金銭を支払うよう要求するという。

 また、子どもによるアプリのダウンロードを制限したり、使い過ぎを防いだりする「ペアレンタルコントロール」を無効にしたり、子どもの個人情報を収集したりするものもあると説明している。

 「iPhoneには個人の写真や健康・資産・位置情報など貴重なデータが入っている。サイドローディングを許せば、これらを攻撃するための技術開発に資金が投じられ、攻撃はより過激になり、手口はさらに広がる」とアップルは主張している。

反トラスト法改正案をけん制

 アップルは、iPhoneなどの同社製モバイル機器向けアプリをApp Store以外で配信することを認めていない。一方、米議会下院の超党派議員が6月11日に公表した反トラスト法(独占禁止法)の改正案では、アップルやアマゾンがそれぞれ開発者や出品者向けプラットフォームを運営しながら、自社のアプリや商品を販売・提供していることを問題視している。