アップルの売上高伸び率は21年1~3月期に同54%、同4~6月期に同36%を記録していたものの、7~9月は製品供給が制約され、伸びが鈍化した。アップルのルカ・マエストリCFO(最高財務責任者)は決算説明会で「業界全体の半導体不足と、東南アジアの新型コロナに伴う製造上の混乱あった」と説明した。

 アップルの7~9月期の供給制約による逸失売上高は約60億ドル(約6800億円)となり、4~6月期の30億ドル(約3400億円)弱から倍増した。10~12月期はさらに悪化すると同社はみている。

台湾ペガトロンも生産制約

 鴻海の劉・董事長によると、新型コロナのパンデミックによるサプライチェーンの停滞は一部解消しつつある。スマホのカメラなどに使われる光学モジュールなどの部品の供給は、21年末までに正常に戻る見通し。だが、電源管理半導体の供給は依然逼迫している状況だと同氏は話している。

 同じくiPhoneの生産を手がける台湾・和碩聯合科技(ペガトロン)も21年7~9月期に新型コロナの影響を受けた。ベトナムとマレーシアにおける感染拡大で生産が制約され、iPhoneの納期が遅れたという。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、香港の調査会社カウンターポイント・リサーチは、21年の世界スマホ出荷台数伸び率を12%から6%に下方修正した。半導体不足が主な理由だという。また、米調査会社のストラテジー・アナリティクスは、21年におけるスマホの世界平均卸売価格が前年比で11%上昇すると予測している。

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