米ウォール・ストリート・ジャーナルは7月19日、世界的な半導体不足の波が、ついにスマートフォン業界にも押し寄せたと報じた。
出荷台数減少、発売遅延
スマホメーカーは通常、主要部品を約半年前に調達しており、自動車やパソコン、家電などのメーカーが直面しているような部品不足問題を回避してきた。だが、ここに来てスマホ各社の在庫も減少しており、大手の出荷にも影響が出始めているという。
韓国サムスン電子も主要部品の調達で苦戦しており、今後のスマホ出荷台数が前年比で20%減少するとみている。米グーグルは先ごろ自社ブランドの新モデル「Pixel 5a 5G」を発表したが、2021年は米国と日本の2カ国限定で発売すると明らかにした。中国の小米(シャオミ)は21年4月にインドで「Mi 11 Ultra」を発表したが、発売時期が同7月にずれ込んだ。
業界アナリストによると、高価格帯端末を手がける米アップルはサプライチェーン(供給網)に大きな影響力を持っており、こうしたトラブルに巻き込まれていない。サムスンも大半の高価格帯端末でこの問題を回避できている。その一方で、スマホ業界の8割超が部品調達の問題を抱えているという。
4~6月期、前期比10%減に
香港の調査会社カウンターポイント・リサーチによると、21年1~3月期の世界スマホ出荷台数は前年同期比で20%増加。新型コロナの影響がなかった19年1~3月期との比較では4%増加した。