また、英フィナンシャル・タイムズによると、ロジャーズ判事は「外部決済手段への誘導を制限する行為は、極端に高い手数料を生み出し、それが並外れた営業利益をもたらしている」とし、「アップルの知的財産の価値に照らし合わせても、程度をはるかに越えている」とも指摘した。

アップルには回避策も・・・

 この訴訟の発端は20年8月だった。エピックはApp Storeの手数料が法外だとし、課金を回避するため独自決済システムへのリンクをアプリ内に設けた。アップルはこれが規約違反にあたるとしフォートナイトを配信停止にする措置を取った。その直後にエピックがアップルを提訴。アップルは20年9月にエピックを反訴した。

 ロジャーズ判事は21年9月の判決で、エピック側に対して規約違反によって生じた損害の賠償をアップルに支払うよう命じた。エピックはこれを不服として連邦控訴裁に控訴する意向を示した。

 この法廷闘争は長期化する見通しだ。もしアップルの見直し命令停止請求が認められれば、App Storeには今後数年間大きな変化はないとみられている。

 一方、アップルがたとえ外部決済への誘導を許可するよう義務付けられたとしても、同社は別の名目で手数料を徴収する可能性があるとCNBCは伝えている。

 その一例が米グーグルだ。韓国では21年8月下旬にモバイルアプリ決済の排他的な契約に制限をかける法律が成立した。これを受け、グーグルは11月4日、韓国で自社決済システムの利用義務付け規定を撤回すると発表した

 これにより開発者はアプリ内に自社決済システムを導入できるようになる。ただグーグルは新たな規約に「利用者が代替決済システムを選択した場合、開発者はグーグルに対し決済金額の11%を支払わなければならない」という項目を盛り込んだ。ロイターは「これが開発者にとってどの程度メリットになるのかは不明だ」と報じている

 (参考・関連記事)「アップル、エピックとの独禁法訴訟で控訴へ | JDIR