アップル ロゴイメージ(写真:ロイター/アフロ)
人気ゲーム「フォートナイト」の開発元と米アップルが争っている反トラスト法(独占禁止法)訴訟で、米連邦地裁は11月9日、アップルが求めていたアプリ決済ルール見直し命令の一時停止請求を退けた。これにより、スマホ「iPhone」などのアップル製モバイル端末向けアプリを配信している開発者は、自社決済サイトに利用者を誘導できるようになるとみられている。
アップル、上級審に無効求める意向
ただ、アップルはこの決定を不服としており、上級審に無効を求める考えを示している。米ニューヨーク・タイムズや米CNBCによると、同社の広報担当者は「この訴訟に関するすべての申し立てが解決さ
フォートナイトの開発元である米エピックゲームズがアップルのアプリストア「App Store」による市場独占の認定を求めたこの裁判では、連邦地裁のイボンヌ・ゴンサレス・ロジャーズ判事が21年9月の一審判決で、争点となっていた10項目のうち9項目でアップルに有利な判決を下した。
判事はアップルが開発者に義務付けている規約の多くを容認。アップルは自社の決済システムを介して開発者から15~30%の課金手数料を徴収しているが、判事はこのビジネスモデルも認めた。
一方、判事は「アプリ開発者が利用者をアプリ外の決済システムに誘導すること」をアップルが禁止している行為はカリフォルニア州の不当競争法(UCL)に違反するとし、2021年12月9日までに米国全土で撤廃するよう命じた。
これに対し、アップルは「12月9日に命令を実施すれば、消費者とプラットフォーム全体に意図しない影響が及ぶ恐れがある。アップルと消費者に回復不可能な損害をもたらす」と主張。上級審で裁判が続く間、命令を一時停止するよう求めていた。
米地裁判事「根本的な欠陥がある申し立て」
CNBCによると、ロジャーズ判事は11月9日付の文書で、「アップルの請求は一審判決の所見を選択的に読み取った内容を基にしており、命令の下支えとなっている他の部分を無視している」と指摘。「根本的な欠陥がある申し立てだ」とし、アップルの請求を退けた。
また、英フィナンシャル・タイムズによると、ロジャーズ判事は「外部決済手段への誘導を制限する行為は、極端に高い手数料を生み出し、それが並外れた営業利益をもたらしている」とし、「アップルの知的財産の価値に照らし合わせても、程度をはるかに越えている」とも指摘した。
アップルには回避策も・・・
この訴訟の発端は20年8月だった。エピックはApp Storeの手数料が法外だとし、課金を回避するため独自決済システムへのリンクをアプリ内に設けた。アップルはこれが規約違反にあたるとしフォートナイトを配信停止にする措置を取った。その直後にエピックがアップルを提訴。アップルは20年9月にエピックを反訴した。
ロジャーズ判事は21年9月の判決で、エピック側に対して規約違反によって生じた損害の賠償をアップルに支払うよう命じた。エピックはこれを不服として連邦控訴裁に控訴する意向を示した。
この法廷闘争は長期化する見通しだ。もしアップルの見直し命令停止請求が認められれば、App Storeには今後数年間大きな変化はないとみられている。
一方、アップルがたとえ外部決済への誘導を許可するよう義務付けられたとしても、同社は別の名目で手数料を徴収する可能性があるとCNBCは伝えている。
その一例が米グーグルだ。韓国では21年8月下旬にモバイルアプリ決済の排他的な契約に制限をかける法律が成立した。これを受け、グーグルは11月4日、韓国で自社決済システムの利用義務付け規定を撤回すると発表した。
これにより開発者はアプリ内に自社決済システムを導入できるようになる。ただグーグルは新たな規約に「利用者が代替決済システムを選択した場合、開発者はグーグルに対し決済金額の11%を支払わなければならない」という項目を盛り込んだ。ロイターは「これが開発者にとってどの程度メリットになるのかは不明だ」と報じている。
(参考・関連記事)「アップル、エピックとの独禁法訴訟で控訴へ | JDIR」






