スマホ画面に表示されたAppStor表示された(写真:REX/アフロ)

 アプリ配信ストアの運営方法が反競争的だとして中小のアプリ開発者らが起こしていた集団訴訟を巡り、米アップルは8月26日、訴訟解決のために和解すると発表した。これに伴い同社のアプリストア「App Store」に変更を加えることに合意した。

価格設定ルールの緩和や開発者支援の基金など

 内容は、価格設定ルールの緩和や、審査プロセスの透明性厳格化、小規模開発者の支援を目的とした基金の設立など。同社のアプリストアを巡っては、高額な販売手数料が中小開発者の事業を抑制していると指摘されている。

 そうした批判をかわすため、アップルは2021年1月、App Storeで得た年間収益が計100万ドル(1億1000万円)以下の企業を対象に手数料を30%から15%に下げた。

 一方で、人気ゲーム「フォートナイト」の開発元である米エピックゲームズは、アップルの手数料が法外だと批判し20年8月にアップルを提訴した。今回の集団訴訟は、エピックゲームズの反トラスト法(独占禁止法)訴訟と同じ連邦地裁のイボンヌ・ゴンサレス・ロジャーズ判事が担当している。

 アップルは集団訴訟を解決することで、開発者の懸念払拭に取り組んでいることを判事にアピールしたと米ニューヨーク・タイムズなどの米メディアは報じている。なお、この集団訴訟の合意は同判事の承認を得る必要がある。また、エピックゲームズの訴訟については、まもなく一審の判決が下るとみられている。

勘違いされた「大幅な譲歩」

 前述したとおり、App Storeの変更内容は、アプリな価格設定ルールや審査プロセスの透明性確保、開発者の支援基金の設立などだ。だが、最も注目を集めたのは、「外部決済方法の電子メールでの告知」の許可だった。