石油の精製・輸出で国内経済を支えてきたベネズエラ第2の都市マラカイボ(出所:Pixabay)

 ハイパーインフレの中で暗号資産を自ら発行したベネズエラ。その背景について、元日銀局長の山岡浩巳氏が解説する。連載「ポストコロナのIT・未来予想図」の第49回。

 筆者がかつて勤務していた国際通貨基金(IMF)には、世界中から190カ国という、国連加盟国(193カ国)に近い数の国々が加盟しています。これだけ多くの国々が加盟していますと、IMFとの関係が良好な国も、そうでない国も存在します。

 IMFの加盟国は原則として毎年、IMF協定第4条に基づき、IMFの調査団を「コンサルテーション」として受け入れる決まりになっています。しかし、中には「IMFには加盟しているが、調査団には来てほしくない」という国も存在します。その典型がベネズエラであり、2004年を最後に現在まで17年間もIMFの4条コンサルテーション調査団を受け入れていません。