迷走する5つの理由とその5段階の解決策

 当社に相談にくる企業は、DXで暗礁に乗り上げていることが多く、迷走している印象です。迷走する理由は、大きく5つに分類できます。

Case1.経営者は掛け声ばかりで、全く進まない
Case2.DX推進室、デジタル推進部など専任部門を設置しても、ノウハウ不足で停滞
Case3.マーケティング部門が盛り上がるが、全社的には何も変わらない
Case4.システム部に任せ、開発・ツール導入が増えるばかり
Case5.変革するも長続きせず、全社定着に至らずに自然消滅

 根本的な共通する迷走の要因は「ヒト・組織」にあります。当社ではこれらをクリアするために、「成功=ヒト×DX」の実行を5つのステップで進めています。

1. 経営者の意識を変え決意を促す:DXを進める際に必ず経営者にお願いしていることは、①時代の変化を強く認識すること、②人任せにせず、率先垂範で行動すること、③全社を巻き込む変革の覚悟、④諦めない心を持ち続けること、この4つを覚悟するということです。

2. デジタル推進体制を構築する:次にリーダー、メンバーを慎重に選ぶことが大切です。極意は6つあります。

3. 未来を想像し業務を改革する:デジタル変革は「業務改革」を前提とすることが大切です。過去の延長線上の思考、現状課題のクリアは「業務改善」です。「業務改革」ではロケットに乗って未来の新天地を目指すように、マーケットや全社の視点で、未来の業務を想像するアプローチが大切になります。

4. 自社でIT をコントロールする:従来のシステム開発は、独自の思考でスクラッチ開発をしてきました。最近はクラウド化の時代になり、システムが先にあってそれを利用するというように変わってきています。システムに業務を合わせていく、システムをどう適応させていくかという発想で、システムをコントロールすることになります。

5. 変革を定着させ加速させる:企業変革をするとなると個人や組織からの抵抗が起きます。ここで諦めずに続けることが非常に大事です。

自走によるDXを目指し、人材育成から取り組んでいく

 当社はDXを目指す企業の立場に立ち、DX を支援する企業とともに、経営者の業務・システムを改革するサポートをしています。日本はDXを実践できる人材が少なく、このような課題から、DX専門のWebメディア「DX MAGAZINE」を創刊しました。特に若手を中心にDX実践者を育てていきたいと考え、「DX実践塾」も開講しています。DX実践者は、知識を覚えるだけではなかなか育ちません。こういう場で実践者との交流も含めて、自走によるDXを目指して、人材育成から取り組んでいただきたいと思います。