ワクチン接種の進展や、経済再開がもたらす消費増によって、21年のスマホ市場は好調に推移するものとみられていた。しかし、ここに来て半導体不足問題が市場に暗い影を落としている。カウンターポイントは21年4~6月期の出荷台数が同年1~3月期と比べ10%減少すると予測。21年後半の世界出荷台数は7億7100万台で、前年同期比1.3%増にとどまるとみている。

供給リードタイム、異例の19週間で「危険水域」

  米サスケハナ・ファイナンシャル・グループのアナリストによると、健全とされる半導体の供給リードタイムは12~14週間。しかし21年6月のリードタイムは19週間で、サプライチェーンの危険水域とみなされる16週間よりも長かった。こうした遅延に加え、スマホの主要な製造拠点であるインドやベトナムで新型コロナの感染が引き続き拡大しており、メーカーはこれらの問題に対処しなければならない。

 この状況はスマホ新製品の市場投入にも影響を及ぼしているという。カウンターポイントによると21年前半に世界のメーカーが発売した新モデルは約300機種。前年同期の370機種に比べ18%少ないという。

小米の4~6月出荷台数、アップル抜き2位に

 シンガポールに本部を置く調査会社カナリスの最新リポート(速報値)によると、21年4~6月期の世界スマホ出荷台数は前年同期比で12%増加した。好調に見えるが、これは1年前に、新型コロナの影響で大きな落ち込みとなった反動のようだ。

 21年4~6月期のメーカー別出荷台数の上位5社は、サムスン、シャオミ、アップル、中国OPPO(オッポ)、中国vivo(ビボ)の順。シャオミはアップルを抜いて初めて2位に浮上した。ただし、シャオミ端末の平均販売価格はサムスン製品に比べて40%、アップル製品に比べて75%安価。シャオミにとって今後の課題は高価格帯製品の販売を伸ばすことだと、カナリスは指摘している。

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