オフィスを集約、浮いた賃料をオフィス変革の投資に使う

 食堂のリニューアルが完了したのは2020年の3月。新型コロナウイルスの影響もあり、この場はまだ計画した通りには活用できていないのが現状です。

 そこで、ウィズコロナ時代にこの場をどう活用していくべきか、ということについて話し合っています。

食堂はリニューアルが完了、今後、新たな活用を見据えている

 コロナ以前は「オフィスの面積が足りない」と悩まれている企業が多かったのではないでしょうか。しかし、コロナの流行によって出社率が減少し、テレワークが一気に普及したことも手伝い、必要なオフィス面積も大幅に減少しています。

しかし、「オフィスは必要ないのか?」というと、そうではないはず。オフィスに来るからこそできる、はかどる仕事もあると思います。

 そこで、必要のないオフィス、当社の場合、必要のなくなった面積は自社ビルを中心に集約することにしました。その結果、浮いた賃料で、オフィスをさらに「あるべき姿、くるべき姿」に変えていくことになりました。

 このプロジェクトは、本社のリニューアルが終わった次の段階でやろうと考えていたことでしたが、コロナによって一気に加速したという形になります。

数値化・データ化にも取り組み、で経営判断をスピーディーに

 ここからは、オフィス改革におけるデジタルの活用についてお伝えできればと思います。

 オフィス全体を改革していくのであれば、このタイミングでデジタル化にも取り組んでいきたいと考え、本社リニューアルをからお手伝いいただいているWorkPath社と進めております。

 具体的には、ファシリティ・マネジメントの視点からBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用して数値化・データ化できないか、ということを検討しています。

 例えば、こちらの図では「デスクワークエリアを色付けしたら、そのデスクワークエリアが何平方メートルなのか分かる」というように、図面上でマッピングすることによって数値化が可能になります。なおかつ、出社人数に対する必要面積やオフィスに関するコストなど、あらゆることがデータで、すぐ確認できるよう作り込んでいます。

 こうすることで各部署のシミュレーションも進めやすくなり、経営判断をよりスピーディーにできると考えています。例えば、こちらは出社率10%という前提で組み立てたSOMPOホールディングスのオフィスです。

 左側が3Dのデータ、右側が実際の写真です。ほぼ同じですね。図面だけを見て、そこからどんなものが完成するか想像することはなかなか難しいもの。しかし、これだけ具体的に分かると、いろいろな判断がしやすくなります。

 例えば、左側は3Dで作り込んだ会議室ですが、こう見ると「会議室の横、ガラスになっているけれど、これだとちょっと見え過ぎるよね」ということが分かります。

 その結果「中央にすりガラスをいれましょう」ということになり、右側が実際に施工した写真です。このように、さまざまな意思決定が非常に早くなったことを実感しています。

ポイントはデジタル技術を武器に、少しずつ取り組んでいくこと

 ただ、これまでオフィス改革を進めてきた立場として、制度や環境を整えるだけでは不十分だと感じています。やはり、働き方改革を進める上では「体感」できるような場所を作っていくことが重要です。

 とはいえ、全てを作り込むわけにはいきません。だからこそ、擬似体験としてデジタルを活用していくことが有効です。例えば、今、活用を考えているtonari社のシステムでは、一般的なテレビ会議とは違い、タイムラグがほぼありません。リアルタイムでじゃんけんができたり、目線を合わせて会話ができたり。遠方にいても常時接続できる“リアルどこでもドア”のようなコミュニケーションが可能です。

“リアルどこでもドア”のようなコミュニケーションが可能に

 冒頭で、当社には全国にたくさんの拠点がある、とお伝えしました。そこで、tonari社のシステムを常時接続することで、店舗の方も不安がなく勤務できたり、リアルな情報が得られたりするのではないか、と考えています。本店からも遠距離にある店舗を不安なく見守ることができるはず。こうした検討を重ね、今、第一号をスタートさせようとしているところです。 

 コロナ渦で取り組めることが少ない状態ではありますが、デジタル技術という武器を活用して少しずつ取り組んでいくことが、オフィス改革においては重要と考えています。

 ご清聴ありがとうございました。