福島県磐梯町のDXへの挑戦と実践

なぜ、人口3000人の町でデジタル変革が推進できたのか?

JBpress/2021.4.7

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デジタル技術の一般化が自治体でもDXを可能にする

 そもそもなぜ自治体においてDXの必要性が叫ばれるようになっているのか。

「3つの背景を挙げることができます。1つ目は『社会環境の変化』、2つ目は『住民ニーズの多様化』、そして3つ目は『デジタル技術の一般化』です」(菅原氏)

「社会環境の変化」「住民ニーズの多様化」について、平成の30年間、多くの自治体は少子高齢化や経済、社会保障などの課題に直面してきた。「しかし、それに対する対策は、補助金や借金への依存、公共施設の建設、商品券の配布、ゆるキャラ、コンサルタントへの丸投げによる問題先送りなどでした。令和になってむしろ状態は悪化しています」

 そろそろアプローチを見直すべき時期になっていると語る菅原氏。そしてその変化を起こすために不可欠なのがデジタル技術だという。

「そこでポイントになってくるのが『デジタル技術の一般化』です。5年、10年ほど前にはスーパーコンピューターを利用するためには巨額の投資が必要でした。しかし今ではその計算能力が、スマートフォンやスマートウオッチなどで手軽に利用できるようになっています。なぜなら、これらのデバイスはインターネットでスーパーコンピューターとつながっているからです」

 AIを活用した高精度の翻訳アプリなどが無料で利用できるのもそのためだ。

「『デジタル技術の一般化』により、利用費用の『劇的』減少、利用しやすさの『劇的』向上、選択肢の『劇的』増加が起こります。これを利用しない手はありません」

 こうした提案を聞いた場合、自治体によっては議会などで「高齢者はインターネットが使えない」と反対意見が出るところもあるだろう。しかし菅原氏によれば「高齢者は日常的にLINEなどのSNSを使っています。60代の90%、70代の74%、80代でも半分以上の人がインターネットを使っています。使える人が多いことを前提に制度を設計し、使えない人をどう漏らさないようにするかという政策が大切です」という。

高齢者がインターネットを使わない?
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