今後、地方では税収が減る中、サービスを提供しないといけない

 地方とデジタルということを考えてみたいと思います。

地方自治体のDXは喫緊の課題
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 まず、左側の表をご覧いただきたいのですが、これはこれから数十年の間に日本の市町村がどうなっていくかを人口規模別に見たものです。細かい説明は省きますが、例えば、一番上にある人口100万人以上の都市は2040年になると1つ減ります。以下、規模別に市町村の数がどうなるかというのを見ると、なんと、人口1万人以上の市町村は全部減ります。一方で、1万人未満の市町村だけが増えている。

 これは人口減少の帰結だと思いますが、その結果、何が起きるかというと、右側のグラフが表すように、住民は減る、税収も減る、しかしサービスは提供しなくてはいけないということになりますから、結局、1人当たりの歳出額、あるいは住民1万人当たりの職員数が非常に逼迫してくるということではないかと思います。

 これに対処するためには、やはりデジタル化を進めていくこと、業務負担に耐えられるだけのデジタル化を進めなくてはいけない。そういう意味で、実はDXというのは地方自治体にとって、不可欠のものです。

 そして最後に、デジタル化は必要ということだけではなくて、地方創生にとってもキーポイントになるんだということを申し上げたいと思います。

地方創生、地域活性化に向けたDX の活用に向けて
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 2つの図を持ってきました。まず左側ですが、これは国に先立って自治体がITを活用した例を挙げています。ちょっと古典的な例になってしまいましたが、左側のさいたま市の事例。ここでは毎年8000人の子どもたちが保育所に入ります。これを300カ所の保育所に割り振らなくてはいけない。大変な作業です。毎年、それに1500時間かかっていました。ところが、これをITにやらしたら、何とものの数秒で答えが出てしまった。いかに、ITを活用することのメリットが大きいかという例だと思います。

 その隣はつくば市の事例ですが、ここはロボティックス、いわゆるRPAを導入したら、職員の作業時間が8割、9割減ったということなので、先ほど申し上げましたが、人手不足や税収不足の中で、デジタル化を進めることが攻めにつながるということだと思います。

 右側は会津若松市ですが、ここではいわゆるスマートシティに向けた取り組みを進めています。私はデジタル化の最終目的はデータの利活用だと思います。町の課題をさまざまなデータを使って解決していく。そのための仕組みがスマートシティです。

 会津若松市は、いち早くこれに向かって動き始めていますが、こうした体制を自治体で組んで、町の課題を解決し、そして、地方の創生につなげていく。これが私は行政の最終目的ではないかと思います。

 ここはまだまだ始まったばかりですし、人手も足りませんが、こうした分野こそ、私は、官民一体になって進めていく分野なのではないかなと感じています。