ミッション・ビジョンに立ち返る
では、17のゴール視点に基づき経営戦略を検討する際に、何から始めるべきだろうか。
答えは、自社の経営判断の起点となる「価値観」に立ち返ることである。この会社の価値観を示すものが、自社の設立趣意書や経営理念である。言い換えれば、企業の社会における存在意義を示したものである。
この経営理念を踏まえ、経営を担うトップや経営陣の想いに基づき、将来的(5~10年先が一般的)に目指したい姿を経営ビジョンにまとめる。
この経営ビジョンの検討の際にはSDGsの17のゴール視点も活用し、社員を巻き込んだワークショップ形式が有効である。自社の価値観に基づき、われわれは将来どうありたいのかについて、経営トップと従業員が経営ビジョンを共有できるからだ。
社会課題の解決への貢献は、社会課題に関係するステークホルダーからの応援につながり、企業の存在意義をより明確にする。社員にとっても応援される会社で働くことはモチベーション向上につながる。
さらには社員が目指す方向性や価値観を共有することで企業努力の対象が明確になり、企業活動のパフォーマンス向上も図れる。