自社らしさを追求する
経営ビジョンの検討では、自社の"らしさ"に立ち返る。例えば、固有技術の追求、取り扱うサービスの商材への知見、創業当時から積み重ねてきた歴史、地域の雇用や経済、社会への貢献への想いなど、企業それぞれにこだわりといえる"らしさ"を再認識する。
これは言い換えると自社のユニークさ、唯一無二で他社と比較されない独自性は何かを定めることだ。
"らしさ"の追求の際に重要なのが、企業活動を通じて達成したい目的(パーパス)を定めることである。例えば、ネスレは食品会社ではなく「お客様のクオリティオブライフの向上に貢献する」会社と定め、栄養価値の向上を追求することで、より社会に貢献することを目的に定めている。
自社の"らしさ"に基づく独自の価値を追求することが、真の競争優位の構築につながる出発点である。
自社の"らしさ"を活かすことで社会に必要とされ、企業活動を応援される企業になる。
社会課題の解決は新たな顧客を創造する。まさにブルーオーシャン市場を開拓することにつながるのである。
コンサルタント 栗栖 智宏(くりす ともひろ)
日本能率協会コンサルティング
経営コンサルティング事業本部 経営戦略センター センター長
チーフ・コンサルタント
2006年JMAC入社以来、製造業を中心に100社以上の改革活動を支援。経営計画や事業計画策定を中心に、多数の収益改革や業務プロセス改革の支援実績を有する。また、新規事業創出支援も手掛けるなど、事業全般のテーマに対するコンサルティングを展開中。