リアルな営業部門の「いま」
内装資材卸会社A社
緊急事態宣言中は、商談という意味では全くできなかった。私たちの商品は、例えば壁紙といった実際に目で見て、触ってもらって初めて商品を理解してもらえる。従ってオンライン商談に切り替えることが難しかった。また、主たるお客さまであるアパレルショップなどがコロナウイルスで多大なる影響を受けており、そもそも商談を行う状況とは思えなかった。
それぐらいコロナの影響は大きかったが、それは同業他社も同じであり重要なことは今後どうしていけばよいかだと考えていた。(緊急事態宣言解除後の)今後はお客さまに受け入れられるか心配ではあるがオンライン営業に切り替えていかざるを得ない。リアル訪問とオンライン営業を融合した形で展開していこうとしている。ネックになるのは、商品紹介だが、非対面でもできるプロモーションのやり方を見つけていきたい。
健康食品メーカーB社
緊急事態宣言中も緊急事態宣言後も、基本的にはオンライン商談中心に切り替えて対応している。オンライン商談については、決してマイナスな面ばかりではない。対面だと、複数のキーパーソンが違うロケーションにいる場合は別々に訪問して商談せざるを得なかった。
それが、オンライン商談ツールを使うことで、同時にコミュニケーションが取れ、商談を進めることができる。また、遠方のお客さまだと、片道3時間かけて会いに行って1時間の商談。そしてまた3時間かけて帰る、ということがあったが、オンライン商談だと移動なしで商談できるのもメリットだ。今後も顧客もわが社もここまで実態を変革してきたこともあり、これを止めてはいけないと考えている。今後ともリアルとオンラインをハイブリットでやっていきたい。
しかし問題もある。具体的には、「飛び込み」のような自ら仕掛ける新規開拓ができにくくなったことである。またオンライン商談では、会話を通じて相手の雰囲気がつかみづらいことも難点である。訪問であれば義理もあって質問などしてくれたが、オンラインでは質問が出にくいこともある。そもそも根本的に、世の中がオンライン商談を始めたばかりなので、ツールを使える人そうでない人のバラツキが大きいことも問題ではある。
教育ベンダーC社
私のお客さまは、本社人事部の方が多いので、緊急事態宣言中もほぼオンラインで商談することができた。とはいっても、新しい案件の話というよりも、進行中の案件の打ち合わせばかりであった。
今後は、リアルとオンライン、5:5ぐらいの割合でいくのではないか。やはりオンライン商談はやりにくい。まず、相手がカメラをONにしていても表情が読みにくい。うなずきも少なくなる。
特に、商品を売り込む場面が難しい。リアル商談だと、「ここで事例紹介に行こう!」というタイミングが計れるが、オンラインだとそれが分からない。だからこそ、事前のシナリオをしっかり作るようにした。30分のオンライン商談で、ゴールをどこにするか? そして、次のオンライン商談にどうつなげるか?
この辺りを練っておかないと、商談が進まない。ベテランであれば、ある程度できるが、リアル商談でも経験が少ない方は、さらに商談が難しくなったのではないか?