不確実な情勢だからこそCDOのリーダーシップが「違い」を生む

一般社団法人CDO Club Japan
理事・事務総長
水上晃氏
 

 私からはまず、今回の新型コロナウイルスに関わる話題についてお伝えしたいと思います。このイベントもまた影響を受けて配信スタイルに変更となりましたし、ネットを通じて今ご覧いただいている皆さんの会社でも、大きな影響を受けていることと思います。

 しかし、こうした緊急時にこそリーダーの資質が問われるもの。実は今回のコロナウイルスの件でも台湾で非常に注目すべき動きがありました。

 日本と異なり、台湾では昨年12月31日の時点で早くも国民に注意喚起を行い、その後も検疫強化や専門家チームの発足などの措置を迅速に打ち出していました。また、台湾当局は国民健康保険のIDを使い、薬局でマスクを配給するシステムも立ち上げましたし、中華郵政公司は全国の薬局6500カ所のマスクの在庫をオンラインで把握し、過不足なく無料で配送する態勢を整備したのです。

 さて日本はどうだったか? それは皆さんご承知の通りです。SNSを中心にデマが飛び交う中でマスクの不足が深刻化し、トイレットペーパーなどの買い占めによって消費者も提供側も右往左往する始末。リーダーによる勇気ある判断と迅速な行動の有無が、これほどまでに分かりやすい「違い」を生んでしまうことから、私たちは改めて学ばなければいけない。そう考えています。

 しかし、日本にも素晴らしいリーダーがいらっしゃいました。例えば昨年度、CDO of the YearとしてCDO Club Japanも表彰をさせていただいたサンリオピューロランドの小巻亜矢CEOです。

 多くのエンターテインメント企業がコロナウイルスへの対応にまだ迷いを抱いていたはずの2月22日の時点で、臨時休館という決断を発表されました。発表直後の段階では、世の中的にも賛否両論が起きていたものの、今ふり返ってみれば「大英断」と言うしかありません。

 集団感染の可能性拡大を阻止するためとはいえ、短期的な経営面を考えれば苦渋の決断だったに違いないわけですが、リーダーのこうした決断が企業の社会的責任における本気度を明快に世間に示すことになる。そのことを私たちに教えてくれました。

 本日のテーマであるSDGsへの挑戦に対して、グローバルなCDO Club、そしてわれわれCDO Club Japanがどういった姿勢で臨んでいるのかについては、先ほど加茂からお話をさせていただいた通りです。環境変化が激化する今という時代において、CDOが果たすべきリーダーシップは今後ますます重要視されていくでしょう。