本コンテンツは、2020年3月4日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2020 <春>〜デジタル変革によるイノベーションの実現〜」での講演内容を採録したものです。

社会課題の解決でも鍵を握るのはCDO相互の「連携」

一般社団法人CDO Club Japan
代表理事&創立者
加茂純氏
 

 CDO Clubは、各国企業においてチーフ・デジタル・オフィサーあるいはチーフ・データ・オフィサーとしてイノベーションに取り組んでいるCDOたちが、グローバル規模で連帯するコミュニティネットワークです。

 すでに全世界で1万人以上のCDOがこのCDO Clubに参画し、活発に情報交換・意見交換を繰り広げており、私たちCDO Club Japanも2017年の設立以後、急速に参画者を増やして約100名のCDOが名を連ねるところまで拡大してきました。

 そして今、CDO Clubの中でも特に重大なテーマとして、その対応について議論されるようになっているのがSDGsです。ご存じのようにSDGsは国連が2015年に採択した17項目による「持続可能な開発目標」の総称。

 貧困や飢餓、平和問題や気候変動など、その項目は多岐に渡っているわけですが、そこには産業の在り方や技術革新も含まれており、企業にとってもCDO各員にとっても、看過できない重大テーマです。

 すでに国内外の企業がこのSDGsを自社の経営計画にしっかりと盛り込み始めてもいますし、本日配信でご試聴されている皆さんのところでも、このSDGsについての議論が始まっているところは少なくないはずです。

 ではグローバルなCDO Clubで何が始まっているかと言えば、まずClub総体からのメッセージとして、SDGsという単語を「サスティナブル(Sustainable)デジタル(Digital)ゴールズ(Goals)」と分解しながら、「グローバル連携にて挑戦する」ことを宣言。

 官民の多様な組織において変革リーダーとしての役回りを期待されているのがCDOである以上、この国際的課題においても中心的役割を担って、国境を越えて連携していくことを改めて発信しています。とりわけ挑戦すべき課題として重視しているのが、気候変動と災害、そして今まさに世界を揺るがせているコロナウイルスも含めた感染症対策についてです。

 イケアのDXを成功させたCDOとして名高いスウェーデンのバーバラ・コッポラさんも「家庭や、社会、私たちが住む地球環境に良い影響を与えることを目指す。それは正しいことだから“だけでなく”、持続可能なビジネスを行う唯一の方法」なのだと声明を発表しています。