今後も増加が予想される、共創の「場」

 サブスクリプション型ビジネスモデルの台頭にも代表されるように「モノからコトへ」の移行が仕事をする場=オフィスにおいても主流となってきている。オフィスの定義すら変わりつつある中で、今やあらゆる業界で必然性が叫ばれる共創の「場」は今後も増加が予想される。

従来のコワーキングスペースのイメージ

 協業を成功に導くには、協業相手と相互理解を深めていくことが必要不可欠だ。しかし、大企業とスタートアップにおいては、企業文化や意思決定速度が全く異なる。それを理解していないと、せっかく理想的な協業相手を見つけられたとしても、良い関係性を構築できずに終わってしまう危険性が高い。

 特に、大企業に長く席を置く人にとって、スタートアップ経営者やそこで働く人々が持っている独特の熱気やスピード感は、実際に接してみないと想像し難い部分が大きいだろう。具体的な協業相手の目星をつけるまでに至らなくとも、「スタートアップを理解する」という意味において、こうした「場」に足を運んでみるのは非常に有用だ。スタートアップ側も、日頃からこうした場で、多様な人々と接触し、大企業の文化や組織体制、意思決定プロセス等を把握しておけば、いざ特定の大企業との協業が決まった際も、担当者の立場を理解し、スムーズに事業を進めていくことが容易になるだろう。

 意欲的なスタートアップや大企業のイノベーション事業部が集中するオープンイノベーション拠点は、新たな価値の創出を試みるビジネスマンにとってたいへん魅力的であり、刺激的な「場」だ。特定の協業先を見つけ出すという目的でなくとも、異なる文化に触れて知見を広げ、組織の枠を越えた人脈を作るための「場」として、一度足を運んでみてはいかがだろうか。