IoTと個人情報保護法は「Win=Win」の関係を築けるだろうか(写真はイメージ)

 IoT時代になると世の中のさまざまな領域でシステムやサービスが効率化され、新しいビジネスが立ち上がる。そして人々の生活は便利になる。

 しかし、物事には光があれば影もある。私たちが接するモノに次々にセンサーが付くということは、私たちの個人情報が収集される機会が増えるということだ。いわば生活をのぞき見られる危険性が高まるのである。

 そうした事態に歯止めをかける法律として、日本には「個人情報の保護に関する法律」(以下、「個人情報保護法」)がある。だが、『ビッグデータの支配とプライバシー危機』(集英社)の著者、中央大学総合政策学部准教授の宮下紘氏は、個人情報保護法の不備を指摘する。現在の個人情報保護法は「諸外国に比べてかなり遅れている」というのだ。一体どういうことなのか。宮下氏に話を聞いた。

ビッグデータの支配とプライバシー危機』(宮下紘著、集英社)