最近、クリーンエネルギーという言葉をよく耳にされると思います。クリーンと銘打っているわけですから、石炭・石油・天然ガスといったいわゆる化石燃料ではありません。

日本に関心薄い世界のエネルギー関係者

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クリーンエネルギーの代表格、風力発電〔AFPBB News

 ソーラー・風力・バイオマスなどに代表されるような、基本的に二酸化炭素(CO2)の排出がほとんどなく、再生可能な次世代エネルギーのことをこう呼んでいます。

 私は、エネルギー産業の首都と呼ばれる、米国のテキサス州ヒューストンで、クリーンエネルギーの事業開発・事業投資に従事しています。こちらで仕事をしていて、日本の存在感の希薄さを痛感させられています。

 日本は世界有数のハイテク産業の集積地ですから、日本人としてクリーンエネルギー分野でも世界的な地位をある程度確立していると考えたいものです。

 しかし、日々当地のクリーンエネルギーのベンチャー企業、ベンチャーキャピタリスト、コンサルタントなど業界の人たちと話をしていても、次のような質問が飛んで来ることはまずありません。

 「日本の環境政策は?」
 「日本の戦略的なクリーンエネルギー分野は?」
 「日本で力を入れているグリーン技術は?」
 「パートナーとして面白そうな日本のクリーンエネルギー企業は?」

米国の興味は日本ではなく中国に向かっている

 米国の関心は、日本にはなく、中国にあるのです(なぜ中国なのかは、連載が進むうちに納得していただけると思います)。残念ながら、クリーンエネルギーの世界でも、日本を素通りする“ジャパン・パッシング”現象が起きているのです。

 1つには、日本からの情報発信にも力強さが感じられないという理由があります。

 環境分野やクリーンエネルギー分野で、日本が目指すビジョンや、その実現のための政府の政策、民間企業では事業戦略が、米国まで明確に伝わってくることがほとんどなく、クリーンエネルギー分野での日本の顔が見えてこないのです。

 しかし、世界は今、大きな変革期にあります。世界のエネルギー産業は、主役が化石燃料からクリーンエネルギーへの交代期にあり、100年に1度の新たなエネルギー革命が進行中です。