輸入車15台に一気乗りで体感!
海外メーカーの実力と到達点

2012.2.28(火) 両角 岳彦 follow フォロー help フォロー中
このエントリーをはてなブックマークに追加
この写真の記事へ戻る
「シボレー・ソニック」。素直な空間設計をそれなりに抑揚のあるフォルムに仕上げている。日本向けはとりあえず韓国で製造される5ドア・ハッチバックに1.6リットルのエンジンと6速オートマチック・トランスミッションの組み合わせを搭載。タイヤも韓国のハンコック製だったが、日本のタイヤメーカーが作る同種のライン装着品(例えばブリヂストンが作るトヨタ「ヴィッツ」/「アクア」用)に比べて素直な仕上がり。
こうした動質の鍵を握る要素の造り込みも世界レベルの実用品として十分なところまで進歩した。欧州のサプライヤーやコンサルタントも使いこなしているなど、沈下する日本メーカーと製品の実力は拮抗、ものによっては追い越しつつあるのを実感した。(筆者撮影、以下同)
トヨタ「アクア」のパワーパッケージ。写真左側に1.5リットルの吸気早閉じ(実圧縮比が膨張比より小さくなる)エンジン、動力混合と無段変速を受け持つ遊星歯車と発電機を挟んで右端に駆動用モーター(減速歯車伝達)という構成は、1997年登場の初代「プリウス」から根本的な進化はなく、捲線断面を四角にするなどして、より小さなコンパクトクラスのエンジンルーム骨格の幅の中に収めるために外寸を削ったのが今回の開発ポイント。駆動をどう作るかの考え方に進化はない。
短時間の試乗で確認できた範囲では、燃費のスウィートスポットは相変わらず狭く、実用に供した時の燃料消費はプリウスと大差ない可能性が高い。「ゴルフ」日本仕様がアイドリングストップと減速時発電機駆動を実装してきたことで、低速側の実用燃費もプリウス、アクアに迫ると思われる。このあたりは初見ではなく少しじっくり付き合って確認する事象。
成功を継承してきた古典的な駆動機構レイアウトから乗用車との共通性が高いエンジン+トランスミッション一体横置きに転換した「フォード・エクスプローラー」。3列目のシートも備える大柄なSUVであることに変わりはないが、エンジンのダウンサイジングを進めてきた。
「ミニ・クーペ」。写真はターボ過給エンジンを積む「クーパーS」だが、自然吸気エンジンの「クーパー」も並べて試乗。どちらも脚を締め過ぎていて、わざとらしいフットワーク。キャビンもご覧のとおり低くてタイト。後席はないに等しい。1つのデザインからファッションとしての車型を多様化させようとする中でロジカルには首を傾げる展開。それでもこういうものを好む客層はある、といえばそれまでだが。
大きく押し出しの利くクーペフォルムだがドアは4枚、4人乗りのポルシェ、という商品企画の「パナメーラ」。ハイブリッドシステムは1モーター・2クラッチ方式で通常のオートマチック・トランスミッションを介して4輪に駆動を分岐するが、その動力使い分けから合流させる瞬間までの洗練度は高い。これも近々、もう少し対話を進めて燃費も含めた確認をする予定。
2011年にいわゆる大幅改良を受けたメルセデス・ベンツ「Cクラス」。主力エンジンは1.8リットル+ターボ過給エンジンで、今回の「C200」は出力で言えば3段階の中間仕様。
BMWもそうだが、もともとエンジン排気量を示していた数字のモデル名がダウンサイジングによって整合しなくなってきた。サスペンションの縮み側ストロークを切り詰めて車体地上高を落とした「アバンギャルド」は欧州では少数派のドレスアップ仕様であり、主力仕様として入念に造り込まれるものではない。

産業の写真

日本一の猛暑でもエアコン稼働は最小限ですむか、高機密・高断熱なら夏も冬もぐっすり眠れた「エコハウス」体験記
【プラットフォーム規制】日米欧当局がGAFAに宣戦布告、巨大ITは競争を歪め民主主義も脅かすか 攻防が本格化
酷暑がやってくる!がまんの省エネ国ニッポン、エアコンの性能向上も大事だが、そもそも家の「断熱性能」が悪すぎる
中国スマホ市場、Apple 19%減 華為が猛追 1〜3月
反イスラエルデモで米国が炎上し、原油価格が下落したワケ バイデン政権はパレスチナ情勢の悪化を回避できるか
《GW渋滞回避術》高速より下道が早い、早朝に出発すれば渋滞しない、山越えサブルートはハードルが高い…は本当か?

本日の新着

一覧
【舛添直言】増え続ける「空き家」と単身高齢者、今の社会設計では日本はほどなくドン詰まりに
保守層拡大を目論んだ自民党による「持ち家推進政策」も見直しの時期に
舛添 要一
またしても中国が蛮行、スカボロー礁でフィリピン船を損壊
中国による南シナ海の内海化・軍事聖域化を断じて許すな
樋口 譲次
学級崩壊、教員の多忙化、理不尽な保護者、ブラックな学校を変える唯一の方法
「学びの共同体」、学校を開けば、教育が変わる、社会が変わる、未来が変わる【JBpressセレクション】
関 瑶子
『光る君へ』藤原道隆の後継になるべく「内覧」のポストに就いた伊周、ドラマでは描かれなかった見苦しい“一悶着”
真山 知幸
フォロー機能について

フォロー機能とは、指定した著者の新着記事の通知を受け取れる機能です。
フォローした著者の新着記事があるとヘッダー(ページ上部)のフォロー記事アイコンに赤丸で通知されます。
フォローした著者の一覧はマイページで確認できます。
※フォロー機能は無料会員と有料会員の方のみ使用可能な機能です。


設定方法

記事ページのタイトル下にある「フォローする」アイコンをクリックするとその記事の著者をフォローできます。


確認方法

フォロー中の著者を確認したい場合、ヘッダーのマイページアイコンからマイページを開くことで確認できます。


解除方法

フォローを解除する際は、マイページのフォロー中の著者一覧から「フォロー中」アイコンをクリック、
または解除したい著者の記事を開き、タイトル下にある「フォロー中」アイコンをクリックすることで解除できます。