筆者の滞在する内陸の地方都市でさえ、アイフォーン(iPhone)を持つ少年少女をたまにではあるが見るようになった。また子供向けのパソコン雑誌を見るようになった。もちろん最近のニュースでもよく目にしたり耳にしたりする。

ネット歴5年の小学生がネットショッピングでまとめ買い

「少年電脳世界」文字通り子供向けのパソコン雑誌だ

 さらには、小学生や幼稚園児がクラスメート同士でアイフォーンやアイパッド(iPad)で遊ぶという事例をニュースやネットや子育て掲示板で見るようになった。

 ネットメディア「第一財経網」の報道によれば、ネット歴5年のヘビーユーザーの小学生が、クラスメートを巻き込んでオンラインショッピングサイトでまとめ買いをし、安く文具や本を買うという、中国のホワイトワーカー顔負けの小学生を紹介している。

 小学校低学年までの年齢で言えば1桁のこの世代を、中国では「00後(リンリンホウ)」と呼ぶ。「80後(パーリンホウ)」という言葉は見聞きしたことがあるかもしれない。80後は1980年代生まれ、つまり00後は2000年代生まれである。

 80後の次として、一部の中国メディアは順当に90後(1990年代生まれ)の動向を紹介し、李寧(Lining)など一部のアパレルメーカーは90後の消費者をターゲットとした広告を展開した。

 70後や80後の利用者が中心のネットに端を発した90後の分析によれば、「自分たちよりも我慢強くなく、自分勝手で、オリジナリティーを好む」そうである。もっとも外国人の筆者から見れば「最近の若い者は」的な論であり、五十歩百歩ではないかと思う。

ネット世代の子供たちが「00後」

地場ベンダーがリリースする子供向けゲームも充実してきた

 ところが00後の世代は80後や90後の延長線ではない。00後は親もネット世代であり、一人っ子であり、90後以前はそうではないところが決定的な違いである。

 ちなみに一人っ子親の一人っ子の子供は中国語で「独二代」という。

 ネット世代と政策が生んだ一人っ子の世代はほぼ合致し、現在35歳をちょっと過ぎるくらいが上限となっている。

 文化大革命を経験せず、知的束縛もなく、日本のアニメやゲームで育った「新世代」とも呼ばれるこの世代の子供が、幼稚園や小学校に通う00後である。